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[1362] 砲兵馬 投稿者:五反田猫 投稿日:2013/02/09(Sat) 17:43  

帝国陸軍の軍馬の話で、自分なりのまとめです。
昭和13年に出た陸軍の軍馬生産計画では毎年の生産目標を
下記のようにしました。
乗馬    一万二千頭
砲兵輓馬  二万四千頭
戦列駄馬  三万六千頭

乗馬は、言わずと知れた将校用、馬が3頭居れば飼料輸送に駄馬が1頭必要なので、単純計算でも乗馬+砲馬3万6千頭の飼料を運ぶのに1万二千頭の駄馬が必要で、他の輸送に使えるのが2万4千頭なのです。 この計画で、最後まで足りなかったのが砲兵輓馬で、これは重馬種の馬が必要で日本では従来いなかった種類です。 六頭立て砲車では、後馬に重馬を用い、これがハンドルとブレーキの役割を果たします。 重馬が居なければ、スムーズな砲車の移動が出来ません。
それ以外の馬も、西洋種の調達は進まず、満州事変で戦闘が始まると軍馬はバタバタと戦死し、一般農耕馬を無理やり徴用します。 これには問題があり、例えば上海派遣軍の機関銃小隊独山一輜重隊300頭のうち、廃斃馬21、重病馬217頭が出ています。結局、人間以上に娑婆の馬は戦場に適応できません。 結局、歩兵・砲兵とも、馬が欠なら、肱力搬送です。 
南方は更に酷くて、輸送船の中で衰弱、ほとんど使い物にならないので、19年以降は馬なし。このため、現地では糧秣すらまともに輸送できず、大量の餓死者を出すのですね。


[1361] 追加 投稿者:アナーキャ 投稿日:2013/02/09(Sat) 16:21  

遠心力の話で追加質問をもらったのでちょっとだけ。
ここら辺りはいつかやる予定(涙)のICBMの話で詳しく説明するので、今回は簡単に。

質問は、航空機に懸かるGは遠心力と違うのか、という点でした。
答えはもちろん、違います(笑)。これは二つの点から別物です。
なのでボイドの説明は、本来“正しくない”のです。

一つは、遠心力はその名の通り力であり、単位はkgです。
対してGはGであり、単位もGです(笑)。そもそも別物なのですね。
ただGは重力加速度を基準値としない場合は、単なる加速度となります
それでも単位はm/ss(メートル/秒の2乗)ですから、やはり別物です。
例えば600kgの遠心力と100m/ssの加速度はどっちが大きいの?と聞かれても答えようがありません。
600kgの遠心力と、10kgの質量に懸かる100m/ssの力はどっちが大きいの、という質問なら後者ですが。

ただし、遠心力の計算式、質量×角速度×角速度×半径から
質量を抜いてしまえば、実は加速度になります。
なんで?というとえらく長い話なので省きますが(ICBMの時やります)、
これは円運動を慣性系座標から見た場合の円の内側に向う加速度の計算式の変形だからです。
実は、連載記事中に出てきたGの計算式の上部分、真対気速度×角速度の計算式も、
その変形に過ぎませんから、両者はGの加速度部分の計算式と同じになります。

じゃあ、加速度で見たら、同じなのか、というと、これも違いまして(笑)、
加速度のかかる方向、ベクトルが逆向きなのです。
つまり、旋回中の飛行機なら、内側に向う力、すなわち傾けられた主翼から生じる揚力がGの加速度であり、
対して回転系座標で存在する遠心力は外向きの加速度となります。
航空機には、エンジン推力、主翼と尾翼の揚力以外に加速を与える要素はないので、
この外向きの加速度なんてものは、実在しません。
それは回転系から見た、慣性の力、見せ掛けの力なのです。

よって、遠心力の計算から、Gの加速度と同じ数字を得る事もできますが、根本的に別物です。
ご注意あれ。


[1360] 馬と戦争 投稿者:アナーキャ 投稿日:2013/02/08(Fri) 22:18  

くさのさん、確かに騎兵が先なら要らないかもしれません。
旧約聖書時代のエジプト、ペルシャ、バビロンは戦車天国ですが、本格的な騎兵が登場すると
その運動量についてゆけず、どんどん衰退して行ったような印象があります。
中国の場合ははっきりしませんが、北方の騎馬民族にやられちゃったんじゃないかなあと思ってます。

余談ですが、湾岸戦争の時のアメリカ軍人さんの発言は、やけに南北戦争にちなんだものが多く、
日本人にはわかりにくい部分が結構あります。
教養あるなあ、と思ってたら、当時のテレビドラマで大ヒットしてたのが南北戦争ものだったのだとか(笑)。
これも歴史の一面でしょうか。

五反田猫さん、車軸受けの部分は、そういやアッシリアだかヒッタイトだかが、
初めて鉄製にして、これがあの辺りの敵を一掃してしまうほどの新兵器になった、
という解説を英国(大英)博物館で読みました。
そんなものかな、と思ったんですが、なるほど、意外に重要なんですね。


[1359] チャリオット 投稿者:五反田猫 投稿日:2013/02/08(Fri) 07:12  

日本の場合は、くさのさんが仰るように馬と挂甲が一緒に入りました。(出土例から明白)挂甲は大鎧に発達しますが、これは騎射に特化した鎧です。 鎌倉期から大鎧が消え胴丸になるのは、歩兵による集団戦に移るからです。

一方で戦車の出土はありませんね。 車、そのものが日本では発展せず、平安期になり牛車が出てきたくらいです。 この問題点は軸受け部分の「轂」の強度が上げられなかった。あれだけ車輪径を大きくして回転数を落として、低速で動いても、この部分が破損して動けなくなる話が良く出てきます。 戦闘用となれば、馬の速度ですから無理ですよね。 結局、高速で動ける車は、江戸末まで出てきませんから、日本には馬車牽引はないといえます。 一方でヨーロッパでは、三十年戦争からナポレオン戦線まで、砲と弾薬を戦場に早くもって行くのが勝利の方程式になり、重馬が開発され 複数馬で牽引する砲騎兵が完成していました。


[1358] 南北戦争の騎兵 投稿者:くさの 投稿日:2013/02/08(Fri) 00:23  

まあ、馬に乗れる一般人が戦争しているだけ、というのが最大の理由でしょうね。
ブランディ・ステーションの戦いのように騎馬のまま戦闘が行われたという例が全く
無いわけではないのですが(これも奇襲語後の乱戦に)、多くの場合は戦場では
歩兵として戦っています。騎兵部隊の役割は偵察や高速機動することで、突撃力
が期待されていたわけではないです。日露戦争の日本軍騎兵のような位置づけですね。あと、槍もっているわけではなく、サーベルも役に立たないとの評価がされ
ています。

それでも数はそろえられた様で、北軍には3個騎兵師団からなる騎兵軍団が設立
されています。騎兵はその性質上前装銃では具合が悪いので、後装式の連発銃
を装備していますから、歩兵としてもかなりの戦力になったと思われます(短銃身
の騎兵銃ですので射程は短いでしょうけど)。

そういえば映画「ゲティスバーグ」で、ピケットの突撃シーンがあります。世界最
後の戦列歩兵の突撃と言われていますが、ワーテルローや他の映画で見られるよ
うな一糸乱れぬ行進ではありません。その分リアルなのですが、やっぱり訓練さ
れていないとこんなものかな、という感じでした。


[1357] チャリオット 投稿者:くさの 投稿日:2013/02/08(Fri) 00:05  

想像に過ぎませんが、日本に馬が入ってきた際にはすでに鐙があったからではな
いでしょうか。魏志倭人伝には日本には牛馬はいないと書いてあります。古墳時
代にはすでに鐙が使われいるので、この間にセットで入ってきたと考えて良いので
はないでしょうか。

鐙があればチャリオットは要らないんではないかと思います。律令制では騎馬に優
れたものは騎兵になるように定められています。騎兵の武器が何かは書いてあり
ませんが、その後の流れを考えると騎馬弓兵だったのかなと。弩を使うとなるとチ
ャリオットでないと難しいでしょうが、通常の弓なら騎兵の方が優れているような。


[1356] 馬の戦い 投稿者:アナーキャ 投稿日:2013/02/07(Thu) 21:59  

日本の場合、騎馬もそうですが、戦車(Chariot)もないんですよね。
島国でもイギリスにはあったらしいですから、山が多すぎたのかなあ。

五反田猫さん、ノモハン戦、意外に見落とされがちですが、ジューコフの補給戦もすごいんですよね、あれは。
逆に絶対補給不可能と思ってた日本はそこでも裏をかかれてますし。

くさのさん、南北戦争で騎兵突撃なし、ってのは興味深いですね。
独普戦争で、モルトケに包囲されたフランス軍が騎兵突撃をやってたはずなので、
時代的にはあっても不思議はないはずですが、やはり文化でしょうか。

蹄鉄なしってのは道路事情にもよるような気がしますが、長距離戦は無理っぽいですね。

戦国時代に大八車がないのは、五反田猫さんがおっしゃるように、道路事情なように思います。
大津あたりから京都に至る街道は牛車が輸送手段でしたが、
普通の土の道ではどうしようもなくて、有名な車石が敷設されたそうですし。


[1355] 日本の軍馬 投稿者:五反田猫 投稿日:2013/02/07(Thu) 07:36  

>くさのさま
仰るとおり日本の場合は、戦国時代以降でも蹄鉄も無く、藁で出来た馬沓を使っていました。 南蛮貿易で、西洋馬、鍛冶師も局部的に入ったのですが、鉄砲のように普及しなかったのですね。 

戦国時代に騎馬軍団が無かった説明は、私は簡単だと思います。
去勢していない馬は、雄同士は喧嘩して統一行動は不可能。
雌馬を放せば、それに向かってゆきます(実際、戦場で そうした問題があるので牝馬禁止令もあったそうな:笑)

>戦国時代の輜重
馬や人に振り分け荷物や、長持だったようですね。
悪路の踏破を考えれば、その方が無理がないと思います。


[1354] 馬の調教とか 投稿者:くさの 投稿日:2013/02/07(Thu) 07:20  

戦火の馬は飛行機の中でちょっとだけ見ました。乗馬用の馬に
農耕をさせるって、動物虐待だと思いますけどね。また英軍の
騎兵突撃シーンがありますが、南北戦争では騎兵はもっぱら騎
兵銃での銃撃戦用でサーベル突撃はやっていませんので(その
技術が無かったのでしょうが)、伝統ある軍隊というのは古い
戦法に固執してしまうのでしょうね。

日本の馬が去勢されていないというのは騎馬民族征服王朝説の
否定要因の一つで、馬の埴輪にも去勢されていないことが確認
できるものがあるそうですので、鎌倉以前も去勢はされていな
かったのではないでしょうか。

戦国時代はともかく、江戸時代になると乗馬用の馬自体が少な
くなって訓練もされていませんので、外国人から見たら「野
獣」だったそうですね。もともと日本在来種は気が荒いのかも
しれません(シマウマが家畜化されなかったのは気が荒いから
だそうです)。

幕末に四斤野砲と山砲が輸入されますが、野砲の方は馬での牽
引に失敗しています。当時の調教技術では6頭立てというのは
無理だったんですね。そういうわけで野砲も人力牽引すること
になってしまいますが、平地以外の移動は実際無理だったと思
います(彰義隊は上野まで持っていったらしいですが)。ま
た、例え馬で牽引できたとしても、日本の地形・道路状況では
野砲は役立たずであり、メッケルは野砲を廃止して山砲のみを
配備することを提案しています。将来大陸に打って出ることを
計画していた陸軍は、これは拒否しましたが。

あと、蹄鉄もありませんでしたね。戦国期、江戸中期と輸入は
されているのですが定着しませんでした。ただこれは、西洋馬
とは餌が違うため日本馬の蹄は強く、藁沓で十分だったことも
あるようです。

さらに言うと、荻生徂徠によると、戦国時代には輸送用の車が
無かったらしいです。TVや映画では荷駄部隊が大八車で食料や
弾薬を輸送しているシーンがありますが、あれは嘘ということ
になります。輸送は全て駄馬か人力で行なっていました。


[1353] ソ連軍の軍馬 投稿者:五反田猫 投稿日:2013/02/07(Thu) 07:16  

申し訳ありません、まだ調べていないので、詳しくは判りません。 凄いという意味は、「予定戦場に必要な兵器、弾薬、兵力を集中し、段列を維持する」という基本をしっかりと抑えていたという意味です。 ソ連側はシベリア鉄道の最寄駅:ザバイカルのソロビヨフスコエ駅から700kmくらいの輸送が必要でした。第2次では1万台以上のトラックを用意したとあります。もちろん馬はローカルな移動や輸送に使われたのだと思います。


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