■このJISマークはいいジスよ
さあ、次はこれだ。
太平洋の向こうのアメリカさんが建造した、イージスシステム搭載のミサイル駆逐艦。
アーレイ バーク級の39番目の船となる、USS
マスティン(DDG89 USS
MUSTIN)。
2003年に就役したばかりの新鋭艦で、2008年現在でも最新の部類に入ると言っていいでしょう。
余談ながら、アーレイバーク級はDDG51番から始まって、欠番なしで続くので、
何番艦かは結構簡単に判断できます…って39隻目?!
イージスシステム艦の建造費は一隻1400億円とか言われてるんですけど…。
2008年現在世界第二位の経済大国の日本でも6隻しか持ってないんですけど…。
(ネーミング シップ、一号艦のアーレイ バークの建造費は18億ドル、ざっと1900億円だったらしい)
まあ、これだけ造れば量産効果もあって多少は値下がりするんでしょうが、それにしても39隻。
本気で戦争やる気の国は違うなあ…。これに空母が加わるわけでしょ。
…海上自衛隊なんて持っててもむなしいだけだなあ…。
まあ、海上自衛隊はその設立以来、
アメリカの太平洋艦隊のお手伝いさん、というのが
そのアイデンティティなので、そういう意味では正しい方向に進んでますが。
で、ポンカン、ミツカンと並んで世界三大カンに数えられるイージス艦、
アーレイ バーク級が実は駆逐艦だ、ということを今回、初めて知りましたよ。
駆逐艦て、あんたこの船、満載時で9200トンあるんですけど…。
最初の本格イージス艦で、ミサイル巡洋艦に分類されるタイコンデロガ級より重いんですけど…。
(と書きましたが、くさのさんから指摘を受けて再確認したところ、
満載状態ではタイコンデロガの方が300tほど重いです。訂正します)
空母(08年夏の段階では未だやって来ないジョージ ワシントン)を別にすれば、
横須賀を本拠地とする第七艦隊の最新鋭、最強の船です。
よく公開したなあ…。
実は「はつゆき」の見学を終えてこちらに入ろうとしたら、
目の前でロープを張られてしまう。
「もう終わり?」と聞いたら「Yes」とのこと。時刻はすでに2時半。
やれやれ、しかたないですね、と今回のオフ会に集まった4人組は帰りかけます。
が、ふと振り返ると、家族連れが同じ事を聞いてるのが見えた。
すると、艦の上にいた士官と思われる人物が、
そのロープを閉めた水兵さんに何かを叫ぶ。
で、それを聞いた水兵さん、一度閉めたロープを開けるじゃ有馬温泉!
速攻で引き返して乗船しましたよ、もちろん。
こういうアメリカ人のサービス精神は大好きですよ(笑)。
アメリカ海軍はアーレイ バーク級駆逐艦を、
その進化段階にあわせて「フライト ナンバー」で分けています。
このフライトは、飛行機の便名などに使われるFlightと同じ綴りですが、
おそらく「階段・段階」という意味の方のFlightでしょう。
最初「フライト I」が20隻、まず建造されました。
で、その後、艦全体のステルス性を高めたり、イージスシステムのバージョンアップした
「フライトII」へと進化します。これが7隻。
が、ここからは第二次大戦時のイギリス航空省なみの無計画ネーミングの嵐に(笑)。
29番艦(DDG79)以降、搭載している主砲の口径(砲身の長さ。長い方がエライ)、
さらには防衛用システムのファランクスCIWSの種類によって細かく分類され、
このマスティンは「フライトII
A/ 5インチ62口径砲搭載 20mmCIWS非搭載型」
(Flight IIA with 5"/62 no 20mm CIWS
variant)
という、ハタで聞いてるとお経でも読んでるのかしらん、
というような長い名前になっています。
その上、2007年以降の改修で全艦にCIWSは搭載されたので、
このマスティンはno
20mm CIWS
variantとかいいながら、
ファランクス、ちゃっかり付いてます。
まあ、とりあえずステルス性に気を使ってるんだなあ、というのは
この凸凹の少ない外壁を見ても、なんとなくわかりますね。
我らがはつゆきはこんな感じで、もう反射電波放任主義という感じのデザイン。
もっとも建造時期が20年違う船を比較するのはフェアじゃないですね。
ちなみに彼女は満載時でも排水量は約4000トンほど。
スレンダーザマス。
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