■ああ、ビバ地上250m

では改めて、展望台から何が見えるのか、しっかり確認してみましょう。

が、いきなり最初に余談。
その展望台からどのくらい遠くまで見えるのか?
は、展望台の地上高さえわかれば結構簡単に計算できてしまいます。

水平線(地平線)、それが展望台から見える最も遠い場所です。
その水平線上の任意の一点(つまりどこでもいい)は、
地球の中心点から「地球の半径」分の距離があります。
地球上のあらゆる点は、地球中心から地球の半径分離れてるんだから、
当たり前と言えば、当たり前。

で、展望台から水平線までを直線で結びましょう。
その直線は水平線上で、地球の半径と直角に交わります。
(円の接線は接点を通る半径と直角に交わる)
展望台、水平線上の一点、地球中心を線で結ぶと、
直角三角形となりますから、あとはピタゴラスの定理で距離を計算できます。
展望台から地球中心点までの距離は「地球の半径+地上高」ですね。

正確に距離を考える場合、展望台からではなく、
足元の地面、曲面である地上距離を測る必要があるし、
計算の根拠となる高度、さらには地球中心点からの半径なども、
厳密にやると鼻血を出して痙攣するような話になるんですが、
まあ、地上250m程度の高さなら、全て誤差の範疇でしょう(強引)。
展望台からの眺望の話で、そこまでツッコンもでしかたないし(言い訳)。

で、地球の半径をおおよその平均値6365kmで計算した場合、
地上約250mの高さのサンシャイン60の展望台からは、
だいたい半径約56km前後のエリアが見える事になります。
直径にすれば112km、しかもこれ、向こうが海抜0mの場合。
例えば目標物が標高100m前後の高さにあると、
65kmくらい先にあるものまで見えます。
うーん、広いなあ。

さらに脱線しておくと、海抜2m、まあ人間の視線くらいだと
だいたい5km先くらいまでが見えます。
…意外と近いな、水平線。
ちょっとひとっ走りで、水平線の彼方にあるものを確かめに行けるじゃん。



ではまず南方向を。
左から、まず房総半島、つまり千葉県(笑)。
方向からして富津岬の北付近でしょう。
池袋から見えるとは思ってもみませんでしたが、直線距離で50km以下なので、
理論的には余裕で可視範囲。
でも、さすがによほど空気が乾燥して、視界が効く日じゃないと見えないと思いますよ。

で、その横が東京タワー。この写真だとちょっと見づらいですね。
さらに内陸に来ると左が六本木の東京ミッドタウン(行ったことない)、
そのすぐ横が六本木ヒルズ。
で、その隣、地平線にちょこっと出っぱてるのが、横浜ランドマークタワー(笑)。
いや、これが見えたときは驚きました。
あちらもそれなりの高さがあるとはいえ、よくまあ見えたもんだ。
この写真では見づらいですが、後の写真ではバッチリ確認できます。
で、その横がエンパイアステートビルの劣化コピーこと
代々木のドコモビル、そして最後、右端がおなじみ新宿の高層ビル街。




上の写真の海方向をアップにしてみました。
これだけのものが見えてます。

今回は右から行きます。
右端に黒い塔が見えてますが、これが防衛省の電波塔。
その左、天っぺんが緑のビルが防衛省のメインとなる庁舎。
その隣、上に円筒状のモノが乗ってるのがホテニューオータニ。
奥には赤坂プリンスホテルも見えてます。
で、その左が東京タワー。この写真だとよくわかりますね。
で、その左、白い文字で書いた海の中に見える陸地、
これは羽田空港です。いや、よく見えたな。
逆に言えば、羽田空港からサンシャイン、見えるはず。

で、その左が海の上にチョコンと出てる白い三角形の建物、
これは東京湾アクアラインの海底トンネルの上にある換気用の塔、風の塔です。
いや、これ、帰って来てから写真見て気が付いたんですが、
いや、ホントよく見えたな、もうあきれるしかないな(笑)。
で、その左、ちょっと暗くなってる部分には、
屋上付近に球体がはめこんであるビルがあり、
これがお台場のフジテレビ。いや、ホントに(以下略)。

最後、左端が新橋に出現した高層ビル街、汐留のビル街です。
奥に見えてるのは千葉県。
かなりの好条件が重なってるとはいえ、よくまあこれだけのものが…。
と、驚くのはまだ早いのでした。
次、行ってみましょう。



そこから少し北方向を見る。
今回も右から確認して行きます。

まずは皇居。ちょっと見づらいですが、文字の下あたりの緑地が皇居。
手前部分は北の丸公園ですね。その端に見えてる緑のお寺の屋根みたいのが武道館。
…武道館の屋根に上れば、サンシャイン60、見えるのか…。

で、その横が東京駅周辺のオフィス街。
ここ15年くらいで完全に完全に高層ビル街になりました。
その奥には例によって東京湾、対岸は工場の煙突が確認できるので、五井あたりか。
で、画面中央やや左あたりに東京ドームが見えます。
その横、ヨットみたいなオブジェが頭についてるのが
前回攻略した文京区のシビックセンター。
まあ、向こうからもサンシャイン60、バッチリ見えてましたから、
当然、こっちからも見えます。

で、その真上辺りに四角い建物が遠くに密集してますが、
これが東京黒鼠リゾートにあるホテル群。
当然、この横が黒鼠王国です。見えるんだ、あの国…。
その横には葛西臨海公園の観覧車が見えるのですが、
縮小したら、潰れて見えない状態なってしまいました…。
いやはや、これ(以下略)。



で、今回、個人的にもっとも驚いたのがこれ。
一番手前の位置にある緑地は小石川の植物園。
この奥あたりが東大なんですが、ちょっと見分けづらいですね。

その左上の緑地が上野公園で、左端にアニメ版「時をかける少女」でおなじみ国立博物館が。
こうして見ると、上野の森、ベラボーに広いな。
で、その直ぐ上にあるのが浅草ビューホテル。この右側あたりが浅草中心部ですね。
よーく探すとウン●ビルとして地元の子供に親しまれるアサヒビール本社も見えてます。
「浅草」の文字の横に見える高層ビルは恐らく町屋あたりだと思うんですが自信なし。
で、画面右手、黒いビルを中心にやや大きなビルが集まってる辺りが錦糸町駅。

で、今回最大の驚きが、画面中央の幕張副都心。
いわゆる幕張メッセや、ロッテの本拠地、マリンスタジアムがある辺り。
…見えるんだ、幕張。いや、ホントに驚いた。
で、さらにその右手には、わが故郷、千葉市の中心部が見えてます。
ここから、電車で1時間はかかる距離があるんですが…。
いやはや。



幕張方面アップ。
ビル街の下に、少し横長の四角い建物が見えますが、あれが幕張メッセ。
…あれ、ということは幕張の海岸に出れば、サンシャイン60、見えるってことか!
でもって、直ぐ横にある少し傾いた白い線のように見えるのがマリンスタジアム。
いや、驚いた。
その右、千葉市街の矢印下に見えてるのは、今年(2009年)完成予定の、
45階前後ある高層マンション。
これが池袋から見えるとは…。

余談。
これは例によってLX-2によって撮影してるのですが、このカメラは望遠機能は貧弱。
なので、肉眼でも上の写真くらいに普通に見えます。
で、サンシャインから幕張まで、直遠距離で約25km。
そしてマリンスタジアムの直径はだいたい200m。
25km離れても、視界さえよければ、200mの建造物がこれだけはっきり見えます。

で、第二次大戦期の大型空母が大体全長で200mちょっとくらい。
うーん、20km先の高度250mからこれだけの大きさに見える、ということは、
気象条件さえ揃えば、空母、かなりの遠距離から、バッチリ目視できてしまうんだなあ。

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