■大谷石の迷宮へ

西暦2019年5月15日、この間、令和になったばかりの初夏この日、久しぶりに休日を合わせられたダメ人間兼コックと出かけることにする。昨年の8月に甲府に出かけて以来ながら、その間、こっちは入院に手術、向こうは各種不幸に息子が私立中に進学成功といろいろあったんですが、お互い40年近い付き合いなので、まあ、いろいろあったわな、という感じで普通に出撃。

ヤツは車が出せるので、せっかくなら電車で行きにくい所、という事で約25ぶりに大谷石の資料館に向ってみることに。なんだか最近いろいろパワーアップしてるらしい、と聞いたのと、ここからならもう一か所、電車では行きにくいのだけど前から見て置きたかった「ツインリンクもてぎ」にあるホンダのコレクションホールを回れるからでございます。
その途中で宇都宮市街を通過するので、食い意地の張ったダメ人間兼コックの要求も満たせる、というわけです。

でもって、行って見たら両者ともに予想以上にスゴイことになっており、ダメ人間兼コックとの日帰り旅行としては例外中の例外として、今回は旅行記にまとめてみることにしたのでした。



東北自動車道経由で行くので三郷から近い、ダメ人間兼コック自宅のある松戸で8時に集合、渋滞らしい渋滞にもあわず、約2時間、10時過ぎには現地到着となりました。
以前に2回来てるんですが、最後の訪問が25年近く前なので、全く覚えておらず、しかもここ、微妙に細い道を入った場所なのでカーナビの案内があったにも関わらず最後にちょっと迷う。まあ、それでも無事到着、ここは初めてというダメ人間兼コックと早速乗り込みます。



周囲は露天掘りの跡地で、このため非現実的な、垂直な崖とか、直線の窓のような空間の見える山とかがあり、いい感じ。
ちなみに観光バスは、幾つかの小学校のもので、その内の一つは首都圏ではちょっと知られた私立小学校のものでした。小学校の遠足としてはいい場所だろなあ、と思う。ちなみに彼らの目的はただの見学では無かった、というのを後で知る事になります。



そのすぐ横にあるこの建物が入場券(800円)販売所兼博物館兼地下坑内入り口。さすがに25年前よりは立派になっておりました(ちなみに公営ではなく私企業である)。

 

そこにあった地下坑内の地図。ここは大谷石で出来た山の中を140m×150mに渡ってくり抜いた広大な廃坑なんですが、見学できるのは全体の1/4程度、上の地図で灰色に塗られて矢印が描き込まれてる場所だけです。
ただし実際は左下部分は教会ゾーン(事実上の結婚式場)で、立ち入り禁止と言っても崩落などの危険がある地区ではなく、単に入場規制してるだけとなってます。

しかし、教会ゾーンってのもスゴイ施設だよなあ…。宗教施設を観光施設の中に造るってのは、デパートの屋上に神社を造るのとはちょっと違うような気がしますが。
事実上、結婚式場として使ったるんだから式場でいいじゃん。そもそも離婚が禁じられてるカソリック教徒以外が十字架の前で結婚の誓いをしたって何の意味も無いし。というか非キリスト教徒が牧師、神父に誓うってイスラム教徒が断食明けのパーティーに真言宗の坊さん呼ぶみたいな話だぞ。宗教をファッションにしちゃうのは、個人的にはどうかと思うのですよ。日本人の無宗教性は心の底から大好きですが、こういった面はどうかなあ、と思う。



まあ、とりあえず入って行きましょう。この施設、1979年に公開が始まったものでして、その後、いろいろ改修されたものの、一部にはまだまだ昭和臭を残しております。ああ、昭和は遠くになりにけり。
ちなみにこれは本来の坑道に入るルートでは無く、観光用に造った階段でしょう。

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