■意外にいろんなものがあるのだ



さて、その入り口から出れる裏庭に、以前来た時は無かった展示が加わってました。
この747の首がそれ。

ただし、中を見るにはツアーに参加して、さらに別料金となります。
はい、当然、見てません(笑)。



入り口の右手に置かれてるのが、第二次大戦期、最強と言っていい液冷エンジン、
ロールス ロイスのマーリンです。

なぜか1978年、ロールス ロイス社から当時の全日空に贈られたものだそうで、
戦後生産されたタイプ、民間用600番台の621型。
おそらくアブロのレシプロ旅客機、チューダー(Tudor)に使われてたものでしょう。

500番台以降のマーリンは、基本的に民間用(スペイン空軍は民間みたいなもんだ)で、
耐久性重視で過給圧を落として、その代わりに耐用年数を上げてます。
(マーリン搭載のスピット、P51が今でも飛行可能なのが多いのは、ここら辺の恩恵による)



後部。
なんか変なのは、これ鏡に映して反対側を見るようになってるから。

民間型とはいえ、基本的な構造は第二次大戦期に完成していた
61型の発展型であり、後部には2段2速のスーパーチャージャーと
インタークーラーが付いてます。

後端部、下側の円盤状のものがスーパーチャージャー、
その上にダクトで繋がってる四角い箱状のものがインタークーラーですね。
その左側にキャブレターがあるんですが、当然、この写真では見えてません…。

インタークーラーってのは、過給器のタービンで圧縮した空気を
シリンダーに送り込む前に、一度、冷やすためのもの。
なんでそんなことするの?といえば、気温を下げれば、
空気の密度が上がり、密度が上がればたくさんの空気を
シリンダーに詰め込めて、その結果、より高出力にできるからです。

圧縮した空気は、熱を持ち、温度が上がってしまのうで、当然、膨張します。
それだとせっかく過給器で空気をがーっと詰め込んだのに、
あまり空気をシリンダに送り込めず、効率が悪くなってしまうのです。

逆に一度に大量の空気をシリンダーに送り込めれば、
それに応じて燃やせる燃料の量も増えるわけですから、
密度の高い空気というのは重要なポイントだったりするわけです。

なので、インタークーラーで冷やして、空気の密度を上げる事になります。
ちなみに、マーリンのインタークーラーは液冷という豪華な仕様。

もっとも、マーリンの場合、61型以降、2段式のスーパーチャージャーになって、
アホみたいに過給圧が上げれるようになったため、
あまりに高温の空気にガソリンを混ぜるのは危険であり、
インタークーラーは必須、という面もあったようです。

ついでに、軍用のマーリンは全て黒く塗られていたので、こういった無塗装のは初めてみました。
意外に民間用のは見たこと無いのです。
ほとんど、戦後のボートレースかエアレースに持っていかれてしまってるはずですし。




そこにあった、この手の博物館には必須ともいえる航空エンジンの構造模型。
実際に動かしてみると、よくわかるので、ありがたい展示ですね。

ちなみに左が単列星型5気筒エンジン、右が水平対抗2気筒エンジン。



その奥は図書館になってました。
規模は小さいものの、結構スゴイ本がいくつか置いてあったりします。
入場料払わないと入れない、という辺りが弱点ですが…。


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