■右を見ても左を見ても飛行機で



さて、外に出てみると、機体の前には牽引用のトラクターが。
あ、こういうのって空港備え付けじゃなくて、
各航空機会社が自前で用意するものなのね。



セスナ421。
毎日新聞で1973年から1992年まで使われていた機体。
先の中日新聞のが411だったので、
毎日新聞の方が10だけエライ、というとこなんでしょうか。
とりあえず、エンジンがちょっと違うのと、
客室内が与圧されてるのが411との違いだそうな。

ちなみに1973年のお値段で8000万円。
…その価格に見合うほど、記事の質があがるもんなんでしょうかねえ…。



ここらは日本製の機体となります。
まずは富士重工のModel 700(アメリカ名 FA300)。
富士重工、すなわち自動車屋さんのスバルが飛行機を造る、というと
なんか妙な感じですが、スバルの前身は中島飛行機ですから、
ある意味、先祖帰りではあります。
こうなったら、自動車だって水平対抗エンジンにしちゃうぜ、
という彼らの気持ちもわかりますね(笑)。

単発機だったFA200に続く2機種目がこの機体でした。
ただし、アメリカのロックウェルとの共同開発で、
しかもロックウェルが途中で共同開発を降りてしまったため、
45機だけで生産中止になったそうな。
…おそらく大赤字ではないでしょうか、これ。

展時機は試作1号機で、1975年から89年まで、富士重工の社有機だったものだとか。
ちなみに1975年当時お値段5200万円。
あれ、セスナ411&421よりずっと安いですね。
与圧ありで、エンジン馬力とかも差がないですから、お買い得だったと思われますが、
結果は残せなかった、という事なのでした。

これ以降、富士重工は航空機からは撤退することになるわけです。
ちなみに、最初の単発機、FA200も昔は展示されてたと思ったんですが、
いつの間にかなくなってしまってますね。



こちらは比較的有名な三菱のMU2。
全部で760機近く造られたと言われますから、大したもんです。

展時の機体は三菱重工が社有機として持っていた機体で、
1965年から78年まで使ってたそうな。

プロペラ機ですが、ターボプロップ機。
ジェットエンジンと同じ、ガスタービン構造のエンジンなのですが、
発生する力を噴流として後ろから吐き出すのではなく、
それを使ってプロペラを回して飛びます。
(最後に排出される排気も推進力にして使うが、割合的には小さい)

ジェットエンジンなら、ジェットで飛べよ、と思ってしまいますが、
それほど高速&高高度を飛ぶのでなければ、この方が効率よく、低い燃費で飛べるのです。
最近のジェットエンジンの主流であるターボファンエンジンも、
噴流の力だけでなく、エンジンの力の一部でファンをぶん回して推力を得てるわけで、
今では純粋なジェットエンジン、ターボジェットエンジンはほとんど見なくなりつつあります。




なのでエンジン部を見るとこんな感じになってます。
奥に見えてるのは吸気用のファン、このプロペラはジェットエンジンの
空気取り入れ口の真ん前についてるような構造になってるわけで。



機内。
客室内の装備は全て外されてるので、結構広く感じますね。
ただし、機内で立ち上がると、決して背の高い方ではない私でも頭をぶつけます。


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