■高野山の中心に行こうや



さっきまで、遭難しても恥ずかしくないような山の中でしたが、
徐々に街中っぽい雰囲気のエリアに入ってきた。
おお!こんな山の中に信号のある交差点が!



先手橋、というバス停で降りる。
おそらく橋はこの立派な道を作ったときに埋めれちゃったんでしょうね。
バスを降りると目の前が観光協会のビルで(写真では見えてない)、
あ、ここ街の中心だ、と気が付く。
関東地方の人間の感覚だと、群馬や山形あたりの、山中の温泉街に雰囲気は近い。



そのバス停から1分も歩くと今回の宿坊、普賢院さんがある。
あれま、一等地ですね。
つーか、適当なコジンマリしたお寺だと思ってたら、えらく立派で、ちょっと驚く。
え?ホントにここ?
と何度も確認してみたが、ホントにここ。

実は宿坊では一番安い宿(2食付9500円)を選んでたので、かなり驚いた(笑)。
先に書いてしまうと、宿として見た場合のレベルもかなり高く、
食事も、宿の人の対応も、そして部屋も、今まで泊まって来た日本の宿ではトップレベル。
(まあ、そんなにいい宿にはそもそも泊まったこと無いんだけど…)
いやはや、9500円とか言ってたけど、ほんとは19500円の間違いではなかったのか、
あるいはタヌキかキツネに化かされてるのではあるまいか、というレベルでして、感動しました(涙)。

2万近く取って、メシもサービスも最低、というホテルや旅館を長野や群馬や栃木の温泉街で
さんざん経験して来た身だけに、御仏の力ってすげえ、と思ったのでした。



門の中に入るとこんな感じ。
真正面、予算と知恵の足りない地方自治体がウッカリ復元建築してしまった
鉄筋コンクリート天守閣みたいな、白い建物が私の泊まった施設。
それなりの部屋数があるものの、この日は3組しか泊まっておらず。
(例によって私は自分の泊まってる宿を徹底的に調べるクセがある)

が、翌日、朝のお勤めに参加できます、というので本堂に行ってみたら、
ざっと30人近い人がいてビックリ。
どうも、この建物は“真言宗の信者でも檀家でもない人たち用”らしく、
キチンとした信者さんとかはこの写真の手前にある別の建物に泊まっているようだ。

ちなみに正面下に見えるのが、本堂。
これはもともと、このお寺のモノではなかったらしいんですが、
明治の大火災(高野山は、全ての時代を通じ、とにかく火災ばかり起きてる街だ)で焼け残った
徳川家の霊廟をここに移築してしまったシロモノらしい。
となると、江戸中期以降のものでしょうかね。


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