■豪!羅飛怒轟!力の限り
これまでは、あくまで“守り”の部分であったが、完全なる安全を求めるなら、
“攻め”の姿勢も忘れてはならないだろう。
南海電鉄は、この点も全くぬかりが無かった。
コクピットサイドに片側3つの円形の穴が見れられる。
通常は照明用のLEDが点滅しているが、我らが南海電鉄殿下が
そんな生ぬるい設計などするはずもなく、当然、LEDの奥には、
37mmクラスの武装が隠してある、と考えるべきであろう。
このスペースだと銃身は短くなるため、弾速は期待できないが、
日本の列車強盗がタイガー戦車等を運用しているはずはないから、問題はない。
相手は、せいぜいチハ戦車の10両や20両であろうから、短砲身37ミリでも、
十分、その装甲はブチぬけるはずだ。
特に砲身が前面に固定されいてる(射線と進行方向が一致する)、
という事は列車の速度が銃弾の速度にそのまま加算されることになり、
遷音速から発射されたその弾速は意外にあなどれないものとなる。
(ただし射出時に通常以上に圧縮された空気を突破する必要があり、多少速度は相殺される)
相手がほぼ静止目標となる地上標的相手なら、
自分の高速移動そのものが恐ろしい武器になるわけだ。
(よって戦闘機による対地、対艦機銃掃射をなめてはいけない)
タングステン系の弾頭を用いれば、T-34くらいなら装甲を抜ける可能性があるかもしれない。
そして、正面方向への妨害以外は、速度で振り切ってしまえばいい。
いかにもワイルドな大阪で実戦経験を重ねた、
南海電鉄らしい、割り切った、そして理に適った設計である。
南海は、電鉄業界のイスラエル空軍とでも言うべき存在だといえよう。
コクピットを斜め後ろから見ると先端部から緩やかに太く(断面積が大きく)
なってゆく、という高速化を意識した設計がよくわかる。
コクピット後方、天井付近に見えるスリットは37mm砲のガス抜き用穴だろう。
薬莢の排出穴が外壁に見えないので、恐らく単発式で、
薬莢は内部で回収しているものと思われる。
ここら辺は、航空機よりも、戦車に近い感覚だ。
まあ、薬莢だってタダではないし、回収はコスト削減に直結するのだろう。
また、住宅密集地を走行する以上、ウカツに高速走行から
薬莢を外部に放り出せない、という事情もあるかもしれない。
コクピット周辺を横から。
その下部では空力なんて知らん、という感じでリベットどころか、
固定ボルトがむき出しのように見える。
が、おそらく気のせいだろう。考えない方がよいと思われる。
というわけで、今日も大阪を全力で走りぬける「疾走する青い不可解」こと羅飛兎轟。
ゴーゴー僕らのラピート号!
行け行け僕らの羅飛兎轟!電気と乗客のある限り走り続けるのだ!
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