■多宝塔千社
目的は、この金剛三昧院。
高野山の南のハズレに位置してます。
ここは空海閣下とは別筋、北条政子、つまり源頼朝未亡人による建立らしい。
実際、鎌倉期の建物やら仏像が数多く残っており、
(今回行ってみた感じでは内部は見れないようだ)
高野山全体の中でも、やや特殊なお寺となっています。
本堂は修復中。鎌倉期の建物です。
ちなみにここは別格本山、を名乗っており、真言宗ではない、
あるいは真言宗だとしても、この高野山系(金剛峰寺)とは異なる系統なのかもしれません。
そんなお寺が、もっとも豊かに文化財、建築物に恵まれている、というのは、
何は妙な感じではありにけりかも。
すなわち火災にもあってない、というわけですが、これは場所が離れてるから、
というより、高野山の火災の多くが人災だからなんでしょうね。
多宝塔。1223年建立、すなわちこれも鎌倉期の建築。
先に紹介した壇上伽藍の、東塔、西塔とよく似た構造に見えます。
これが密教的な建築の代表例なのか、あるいは後世の建立である
東塔、西塔がこれを模倣したのか、よくわからず。
個人的には、禅宗、鎌倉仏教の匂いを感じますが…。
蘇州あたりの禅宗の寺で見た建物に似てるんですよ。
まあ、いずれにせよ、いい建物です。
見ていて飽きませぬ。
これも風情のある校倉造りの経堂。
多宝塔とおなじ時期の建築物で、こちらは重要文化財。
で、これ、どこかで見たなあ、と思ったんですが、
帰宅後、司馬遼太郎さんが、この縁側で座ってる写真があったな、と思い出す。
ここにも司馬さんの足跡。
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