■エンジンの園



最後にもう一つ。
この機体には謎の穴が一つありにけり。
矢印のものがそれで、本来、こんな場所に穴はありません。
が、ぶつかって出来た傷にしてはきれいに成形されており、
これはなんだ、というのうはちょっとした謎だったりします。

ついでに黒いレーダードーム部はレーダー電波を通すために
プラスチックで出来てるの、わかるでしょうか。



さて、ここからはエンジンコレクション。
これまた興味深いものがいくつかありました。

まずはイギリスのデ・ハビランドのジプシー メジャー。
同社の傑作練習機、DH.82タイガーモスに
積まれていたものとして有名です。

1932年デビューの倒立型エンジン、
すなわち下側にシリンダーとピストンがあるデザインで、
星型ではない、縦長のエンジンですが空冷だったりします。



お次はやや有名な(笑)、プラット&ホイットニーのR-1340。

このエンジンは近代旅客機のハシリとなったボーイングの247、
練習機として大ヒット作となったT-6テキサンなどに搭載され、
当時としてはかなりの数、約35000台ほど生産されたようです。

ついでこれ、機体の防火壁ごと取り出してしまってるようですね。



お次も空冷星型エンジン、今度はカットモデルか…
と思ったら、なんとこれ、国産の三菱 火星エンジンの11型でした。
陸軍だとハ101ですね。
もったいない事するなあ(笑)…

火星は、1500馬力(離昇の最大出力)クラスのエンジンで、
一式陸攻のような爆撃機から、
雷電のような戦闘機にまで搭載されています。
生産数は8500基を超えてますから、日本としてはそれなりの数でしょう。



せっかくなので、横からも。
シリンダーの取り付け部とか、なかなか見れない構造で、興味深いところ。
うーん、それでも日本の国産エンジンは決して現存数多くないので、
やっぱり、もったいないなあ…。

ついでにエンジン後部にある機械式過給器までカットしちゃってるので、
よく見ると風車のような圧縮用のインペラ(矢印の先)が見えてます。
でもってインペラが一つしかないので、一段圧縮だ、というのもわかるかと。


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