■どれもよく知らぬ



お次も、これまた知らない機体です(笑)。
オースターのJ5G オートカー(Auster j 5g autocar)。

イギリスの小型機メーカー、オースター社による4人乗りの民間機。
全180機と小型機にしては、やや少ない生産数の機体ですが、
それでも普通の機体であり、さらにこれの解説を撮影し忘れたので、
この機体はここまで(笑)。



当然、これまた全く知らない東洋TT-10。

先ほどの東洋工業が開発した機体で、1952年に2機製造したものだとか。
これまた航空遺産です。
こちらは東洋工業の完全な自社開発で、エンジンはライカミングのものですが、
日本の国産機と見ていいものでしょう。

が、やはりこれまた商売にはならなかったようで、2機だけの製造で終わっています。
ご覧のように複座で、そもそもは練習機だったようです。
妙に長い排気管が気になりますが、何がしたいのかはよくわからず。
気流が乱れやすい胴体と主翼の付け根に強い空気の流れを
吹き込もうとしたのかなあ。

ちなみに設計担当者は馬場敏治さんという人で、
紫電改の設計変更に参加していた、という事ですが詳細不明。



お次は見たことあるような、気のせいのような、
パイパー PA-22 トライ-ペーサー(Piper PA-22 Tri-Pacer)。

カブなどの小型機で有名なアメリカのパイパー社の機体。
1950年に初飛行後、9400機(笑)以上造られた、との事なので
多分、どっかでは見てるはず。
ちなみに2007年と少々古いデータですが、この段階で
アメリカだけでも2000機がまだ現役となっています。

ちなみにこの機体の「3」を意味するTri-は前脚のある3本主脚の意味で、
上のTT-10のような尾輪3点式の機体とは違うのだよ、という事を示しています。
元々は尾輪式のPA-20という機体があり、そこからの改良らしいです。
上のような尾輪式だと、離着陸時に空しか見えない、という感じになるので、
キチンと前が見える前脚式の機体が登場したのでしょう。



これまた全く知らない、クリスレアC.H.3 シリーズ2 スーパーエース。
(Chrislea C.H.3 Series 2 Super Ace  名前長すぎ…)

イギリス製の機体で1948年に初飛行してるようですが、
さっぱり売れず、シリーズ1から4まであるくせに、総生産台数は21機(笑)のみだそうな。
ちなみにこの機体、方向舵(ラダー)を動かすラダーペダルが無く、
全て自動車のようなハンドル型操縦桿だけで操縦するようになっていたとか。

ただし、この方式は極めて不評だったようで、
初期のシリーズ1以外の機体は普通のラダー式に戻った…
とされてるのですが、この展示の説明だと、シリーズ2のこの機体も
ラダーが変な構造、と書いてあったので、何か要らん工夫が(笑)されていた可能性も…。
もしかすると、どちらでも操縦可能なように、両者が装備されてるのか?

ついでにイギリス本国では全く売れず、英連邦を中心とした、
海外にほとんど(18機)を売り飛ばしてしまったそうな。
展示の機体は格安で手に入れられた、
というような理由で購入されたのかもしれません。


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