■これが深海で生きる道



でもって、このさりげない貝が今回のビックリドッキリ生物1号、シチヨウ シンカイヒバリガイ。
例の深海温泉周辺に生息する種だそうですが、
温水中の硫化水素をエネルギー源にしてる、と解説に書かれていて腰が抜けるほど驚く。

植物以外の生物が、無機物から直接エネルギーを取り出せるってあーた、
動物という存在を根底からひっくり返すような話じゃないですか。
私は土を食って生きてます、みたいな世界ですぜ…。

ただし帰宅後に調べてみたら、ちょっと違う話でした(笑)。
ここら辺り、もうちょっとしっかりした解説が欲しかったところ。

実際は硫化水を酸化させてエネルギーにしてる細菌類を体内に寄生させ、
そのエネルギーを取り込んでいるのだとか(おそらく熱として?)。
まあ、それでもすごいのですけどね。
ただし、それだけでエネルギーとしては不十分なようで、通常の捕食もするとの事。
寄生させた細菌からのエネルギー摂取と、通常の食事の二本立てで、
栄養価の低い深海に適応した生物、という事でしょうか。



こちらは、ウデナガ ゴカク ヒトデ。
これも同じ命名センスな感じ(笑)。
水深250m前後のやや深海、といった海域に住むヒトデらしいです。
あまり裏から見ることがないヒトデですが、こうなってるのね。
あまり友達にはなりたくないなあ、と思う…。



でもって、こちらがビックリドッキリ生物2号、ゴエモンコシオリエビ。
例の海底温泉周辺に生息するのですが、現在までは沖縄近海でのみで発見されてるそうな。
ちなみにその名は、熱湯の中→五右衛門風呂→五右衛門→さらに腰が折れてる、
ゆえにゴエモンコシオリエビだそうな…。
ただし実際はヤドカリの一種なんだとか。

ちなみにこれも例の硫化水素を分解する細菌を活用しており、
これの場合は、基本的にそれを食料として摂取してるようです。
ただし、単に食べてるだけなのか、先の貝のように熱エネルギーも利用してるのかは、
ここの解説ではよくわからず。



よく見ると、足の間に強烈な胸毛のようなのがあるの、わかるでしょうか、
あの部分に細菌を寄生させて繁殖させ、これを食べてるんだそうな。
つまり、常に食料が生産される工場を抱えて生きてるようなもの、
さらに天敵も存在しないそうで、なんか楽すぎて生きるのがつらい、みたいな話ですね…。
次に生まれ変わってくるなら、ぜひこのエビに…。

ちなみに海水中の硫化水素の濃度が落ちると、あの胸毛も無くなってしまうそうで、
この水槽中には硫化水素を入れて飼育してるのだとか。
なんとも不思議な生物です。

ちなみに、この話が本当なら(まだ研究中らしいので)、
これ、太陽エネルギーの循環から完全に切り離され、
地球内部のエネルギーの循環だけで生きている生物、という事になります。

例えば世界が核の冬になったり、巨大隕石の衝突で暗闇となってしまい、
全ての植物が死に絶え、そして動物もそうなった後でも、
この幸せの住人たちは、その食物連鎖の外に居ますから、生き残れるはず。

やはり次に生まれてくるなら、ゴエモンコシオリエビになりたい…。


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