■次は水面上だ
といった感じでお次に参りましょうか。
展示の目玉その2、という感じの白凰丸(はくほうまる)という船。
これまでの海洋研究開発機構の命名基準からすると、白鳳を研究する船だと思われますが、
白鳳って実在するんだっけ?と悩んでいたところ、
これは元東大海洋研究所の船だった、と教えていただく。なるほど。
でも何で白鳳?何考えてるんだ、東大、という気もしますが…。
とりあえず各種実験施設や艦内研所を満載した研究用船舶だとか。
となると、もし海洋研究開発機構で建造したなら、
“けんきゅう”といった辺りの名前になっていたように思われます。
ちなみに艦上の信号旗は機構の英語略称JAMSTECとかかな、と思ったんですが、
よく見たらCDEFGH…とアルファベット順に並べてあるだけですね(笑)。
なぜかABが見当たりませんが、この二つの旗は四角でないから外された?
神奈川県ですので、当然、入場までは長蛇の列。
それでも横須賀基地での船舶見学よりは早く入れました。
全長100mで総トン数は国際総トン数で3991トン、
との事ですが国際総トン数は計算がややこしいので、
この数字だけでは大きさの実感がよくわかりませぬ。
全長100mだとそれほど大きくない印象ですが、
安定性を重視してるのか、横幅が最大で16.2mとかつての重巡洋艦並みに太く、
全体としては結構大きな船だな、という印象になっています。
水中に各種実験機材を降ろしたり、回収したりする艦尾の大型クレーンが印象的。
艦上に上がる。あ、甲板は木製ですね。
でもってこの巨大なお皿みたいなのは、もやい綱につけるネズミ返し。
岸壁に繋いだもやい綱の上に乗せ、停泊中の船に、陸上からネズミが侵入するのを防ぐものですが、
これを飛び越えてネズミが侵入する映像を見たことがあり、効果は微妙な気も…。
余談ながら、大戦中に沈没した軍艦の戦闘経過を証言できる皆さんは、
その沈没後に救助されて生き残った人たちです。
そういった人たちの証言を延々と読んでいたのですが、
どの艦でも必ず沈没後のネズミの話が出てきて、救助を待つ人の頭の上に乗っていた、
といったような話までありネズミ対策としてなぜ猫を乗せないのだ、日本海軍という疑問も(笑)。
まあ、猫にとって水の上の勤務は悪夢でしょうが、イギリス海軍は乗せてた形跡があるので、
基本的には猫のやる気の問題で、好条件を示せば、連中は乗ってきたような気がします。
ちなみに21世紀の現在でも艦内のネズミ対策は重大な問題だそうな。
その内部。最初は食堂か?と思ったんですが、ここが研究室なのでした。
あ、なるほど、言われてみれば学校の理科室みたいな印象が。
可燃物の木製机をこんなに積んで…などと考えてる段階で、私は人間失格。
天井には電圧の異なるコンセントや、吊り下げ用のフックがあり、使い勝手はよさそうです。
船内には全部で10の研究室が船内にあり、
中にはクリーンルームや低温実験室まである、との事ですから、
なるほど、海に浮かぶ研究室ですね、この船。
ただの蛇口と思ったら、いくつかの種類の海水が出るようになっており、
試料にあった海水がここで得られるようです。
細かい気遣いだなあ、と感心する。
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