■重慶の大楼閣



とりあえず、どんどん南下だ、ネイサンロード(Nathan RD)。



…その途中で見かけた日本城。
この場合の城は、中国語で“街”の意味ですから、日本タウン、みたいなニュアンス。
…って、それでも全然意味がわかりません。

よく見ると、HOME CENTRE(イギリス綴り)となっており、
中に入ってみると、確かに家具やら、工具やら、そういったホームセンター系のお店でした。
が、別段日本製のものばかり、というわけでもなく、
この「日本」もファッションなのかなあ…。
東京にある「パリ美容室」とかみたいなもんか。

ちなみに、この店、香港中でみかけたので、結構はやってるみたいです。



さらにどんどん南下を続けると、なんとなくオシャレなエリアに入る。
ちなみに、この商店街の上は、カオルーン公園になってるんですが、
ここら辺の構造、どうも上海の人民広場の近代化改修の元ネタじゃないかなあ、と。
よく似てるんですよ、全体的に。



現在地表示を発見。あ、やっぱり。
カオルーンのオシャレゾーン、チムシャツイに入ってた。
向こうに、ユニクロと無印良品の看板が見えてます。

さて、となると今回の「目的地、その1」が近いはず…。



あ、あった、これだ。
地下鉄 チムシャツイ駅の出口の真正面にあるビル、重慶マンションです。
英語表記だとChungking mansions、チュンキン マンションズ。

いきなり余談。
日本で、鉄筋コンクリートの集合住宅をマンションと呼びますが、
これは直訳するとお屋敷、といった意味になります(お化け屋敷がhaunted mansion)。
なので、日本における“マンション”という呼称は誤訳…とよく指摘されるとこです。
が、これ、誤訳とは言い切れなかったりするんですよ。

実はmansionではなく、複数形でmansionsと表記すれば、
やや古いイギリス式英語で、集合住宅の意味になります。
普通の英語ではまず見かけない名詞ですが、ロンドンで、マンションズとされる
いくつかの集合住宅を実際に見てきたので、間違いなく、そういう英語もあるわけです。
(ただし、アメリカ人にとっては意味がわからん英語でしょうね)
このため、マンションズ、という言い方なら、集合住宅の意味であってます。

なので、日本に“マンション”という言葉が入ってきたのは、
アジアでありながら、クイーンズイングリッシュを使う香港経由ではないかなあ、
と前から思ってるんですが、未だ確証なし。かつ、これ以上調べる気もなし(笑)。

もっとも、あくまで複数形でのみ集合住宅の意味になり、
単数形の“マンション”を集合住宅の意味で使うと、
やはりトンチンカンな英語ですから、注意。

話を戻しますよ(笑)。

この重慶マンション(ズ)、私は、これまでその存在すら知りませんでした。
が、香港に行ったことがあるよ、言うと、
何度か、このマンションのことを人から聞かれたのです。
なんでも香港らしい、スラム化したビルで、中には怪しい世界が広がってるとか。

最初に聞いたときは、そんな愉快そうな場所を見逃していたとは大失態!
と思ったんですが、よくよく調べてみれば、チムシャツイのど真ん中の立地。
…どうかなあ、東京で言えば銀座のようなこんな場所に、
そんな怪しいビルがあるかしら、と考え直す。

香港のカオルーン側は北東が旧中国人街なので
(カイタック空港はこれをぶっ壊して拡張されてる)
怪しいエリアは北側に多く、こんな半島南端部にそんな場所あるのかしらん、と。

さて、では実際にはどうなのか。
ようやく、確認する機会を得たわけです。

さあ、突入だ。


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