■ミサイルミサイル



艦首から前方を見る。
けっこうデカイ工業地帯が広がってます。
市内中心部からは山ひとつ超えた東側に位置するんですが、
それなりに発展してるようで、その結果、海はあまりキレイではありませんでした…



再び艦橋方向を見る。
注目は右側のP500対艦ミサイルランチャー。
…フタが開いてる中に人が入ってます(笑)。
まあ、暑かったですからねえ…。
この人、新聞読んでました。



そのミサイルランチャーをアップで。
これはオリジナルのようです。

P500バザーリト、NATO名SSN-12、GRAU名称4k80は、射程距離500kmを超える、
巡航型、つまり主翼で水平飛行して目標まで飛んでく対艦ミサイルです。

ランチャーが8基あるのは縁起がいいから…、ではなくこのシステムが
同時に照準できる最大目標数が8つだから。
基本的に発射された艦からコントロールを受けて目標まで飛んでゆくのですが、
当たり前ながら、この程度の高さの艦橋に搭載されたレーダーでは、
500kmなんてはるか水平線の彼方で、捕らえる事はできません。
当然、誘導電波だって水平線の向こうに行ってしまったら届きませんから、
このミサイルの発射、誘導には、航空機が必須となります。
ミンスクではKa-27ヘリコプターがその任務についていたはず。

はい、みなさん、わかりましたね(笑)。
この船の航空兵力は、このミサイルの誘導を最大の目的とします。
その他はオマケみたいなもんです。
なので、この程度の航空戦力でもオッケーと判断されたのでしょうね。
対艦打撃力は、このミサイルが担っています。
ソ連海軍の場合、空母を移動航空基地として、地上エリアへの侵攻作戦を行う、
なんてのは一度も考えた事がありませんから、それでいいのでしょう

余談ながら、英語圏の資料では、偵察衛星からの誘導も可能だった、
とされてるものがあるんですが、本当かなあ。
この点は確認できなかったので、詳細不明としときましょう。

ちなみに500kmも先だと誤差もでかいので、最後は自分のレーダーを使って、
目標に突っ込むようになってたようですが、このサイズに積めるレーダーでは
とてもそんな精度が期待できるとは思えないので、
まあ、基本的には核弾頭搭載が前提のような気もします。

で、これの配備は1975年前後とされてますから、
この船の中では最新の部類に入りますね。



でもってこれが例の“ニセ”P-500。
実際のバサーリトはごく普通のミサイルスタイルで、
長距離飛行のためのターボジェットエンジンを搭載しているため、
(発射時にはロケットブースターを使ったはず)
後部下面にF-16戦闘機のような空気取り入れ口が付いてます。
まあ、似ても似つかないと思いますよ、これ(笑)。

で、これのミサイル格納庫はこの下、艦内前部にあるんですが、
ここまで持ってくるエレベータが見当たらず。あるはずなんですけどね。

例の転がってがクレーンはこれの運搬ようではないかと想像してます。




ランチャー内部。
ミサイルはダミーですが、内部はオリジナルで、保存状態も良好。
発射時のガイド用らしきレールも見えます。


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