■明朗会計宗教団体



で、本堂でゴールかと思ったらそうでもなく、まだいくつかの廟が続きます。



その先に唐突に展示されてた、黄大仙の過去未来図。
ここまでの写真を見てわかるかもしれませんが、現在、アチコチが修繕中で、
どうも右側の写真のような姿を目指し、本堂周囲の改造をやってるようです。



その横にあった2008年度の善款(お賽銭と寄進)の使い道円グラフ(笑)。
うーむ、実に明朗会計の宗教団体である。

まあ、悪いことではないですよね。



でもって、その先になにやら門が。
どうやら庭園があるようです。
せっかく来たんだから入ってみますか。



庭園そのものは、つまらない。
そもそも昨年の上海で中華庭園は肌に合わない、とわかってので、がっかりはせず。

が、ここを歩いてる最中に、不思議なインド人のおっさんに会う事になります。

ターバン巻いて背広来た、インド人でなきゃなんだろうか、というくらいの風体のおっさんが、
すれ違いざま、どこから来たの?と、インド英語(独特のナマリがある)で聞いて来た。
「日本ヨ」と応えると、そうなの、オレはインドだ、と言ってくる。
まあ、そりゃそうだろ、そのなりでアルゼンチンだとか言ったら泣くぞ、
と思ってたら、あんた、運の良い顔をしてるね、と言う。

はい?という顔をしてると、いきなりメモ用紙をだして、何かを書き始める。
なんだろ、とか思ってるうちに、書いた紙を折りたたんで私に手渡す。
それを握ってて、と言うから、言われたままに握っておく。

すると、1〜5までの数字で好きなのを1つ教えて、という。
なんだそりゃ、と思うも、適当に3、と応える。
次に、好きな花を二つ教えて、と言われる。

花かよ!英語で言える花って何があったっけ?と思うも、
とりあえず思いついた、バラと桜、で応えておく。
オッケー、RoseとCherry blossom、RとCだね、と言い、
インド人のおっさんはメモを書き終えてから私の手を指差し、
じゃあ、さっきの紙を開いてみて、と言う。

そういや、そんなのあったな、と紙を開いて見ると、
そこには3つの文字が書かれてる。すなわち、

3、R、C

驚いた。正直言って驚いた。
あれからこの記事を書くまで1月以上の時間が経っているが、
未だに、全くこの仕掛けがわからない。
一応、紙を握ってた本人なので、それが途中で入れ替えられた、
という事はないと断言できる。

つーか、そもそも途中じゃダメなのだ。
最後の一瞬で入れ替えるしかないが、かなり不可能に近いと思う。
両者の距離は1mと離れてはなかったが、でも無理だろう。
もしそんな事が可能なら、このおっさんは、こんな事してないで、
いくらでも大胆なスリ、置き引きが可能なはずだ。
さぞや稼げるだろうから、こんなことをする意味がない。

実はこの後で、昔、バンコクのホテルで聞いた話を思い出した。
ロビーのお姉さんに聞いたように思うが、王宮の近くにインド人の占い師がいて、
何も言わないでも、初対面で相手の名前の頭文字を当ててしまう。
(名前全部だったかも。記憶がちょっと定かでない)
さらに1〜5までで好きな数字を考えて、というから適当な数字を思い浮べる。
すると相手は紙に数字を書いて、あなたの考えたのはこの数字だね、と見せる。
それがことごとく、当たるのだそうだ。

当時はそれって占いなのか、という程度にしか思ってなかったのだが、
ああ、これか、と思うと、なるほどすごいものだ。

まあ、結局いろいろ景気のいい未来を予言してくれた後、
(手相まで見てくれた)
さて、あなたは私にお金を払う、と言ってくる。
まあ、そう来るだろうな、と思っていた。
実は、ここまでいろいろ興味深いものを見せてもらってたので、
ある程度なら払ってもいいか、と思いつつあった。

するとオッサン、払う額をこの中から選んで、とメモ用紙に何かを書いてる。
示された金額は、300、400、500だった。
香港ドルだから、それぞれ11倍すれば日本円になる。
実は、このとき私が財布に入れてたお金はほぼ500香港ドル、
払ってもいいかと思ってた金額が300香港ドルまでだった。
(これは街中の占い師の相場の金額(ただし12〜15年前の話だが…))

なんか見透かされてるなあ、と思うも、ここは香港、相手はインド人。
値切ってみた。高いよ、と。
するとおっさん、メモ用紙の束の間から、写真を一枚、引っ張り出す。
10人くらいの、子供達が写ってる。
お金はね、私のためじゃなくてこの子たちのためだ、という。

ここで、ホントに子供たちのためなら、文句は無い。
もしウソなら、死んだ後に地獄に落ちるのはこのオッサンだ。
払わない理由がなくなったので、とりあえず300香港ドルを渡す。

サンキュー、また会うでしょうね、と言って、おっさんは早足に消えていった。

実はこの時、一旦財布の中身全部、500香港ドル近くを出して、そこから300だけ渡した。
もしオッサンが、すばやく人の手元から何かを奪えるならどうするだろう、
と思ったからだが、当然のように残りの200香港ドルは手元に残った。

面白い体験でした。

念のために書いておくと、この手の押し売り(笑)にキレイに金を払うのは、
多分、圧倒的に日本人が多いはず。
中国人は死んでも払わないだろうし、アメリカ人なら人を選ぶだろう。

そう考えると、日本人が好きそうな花の名前、数字というのがあって、
それを書いただけか、とも思うが、それでも3つ全部を当てる可能性は決して高くは無い。
なにか別のトリックがあるのか、あのオッサンは簡単な読心術の心得があるのか。
その場合、時間軸はどうやって無視したのか。

…まあ、いつか謎が解けるといいな、と思っておきます。


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