■迷いまくり人生



その迷走中にどー見ても棒切れにビニールシートをかぶせただけ、
という家(?)を見かけたのですが、よく見れば床屋の看板が。
マジで?と思ってのぞいて見たら、ホントに床屋でした。

香港、台風が来るエリアなんですけど、大丈夫なんでしょか、これ…。



で、その床屋から向こうを見ると、妙に立派な屋根の建物がいくつか見える。
ああ、あれか、全く見当違いな方向じゃん…。



でもって、そこにまた隧道、SUBWAYの看板が。
こんなとこに地下道が?と思って入ってみたら、ただの抜け道でした。



ようやく正門前と思しき場所に。
上海の禅寺もそうでしたが、中国南部の宗教施設って
オレンジ、グリーンと派手な色、好きだなあ。



で、驚いたのがこれ。
入り口の横が駐車場になってるのですが、そこで何かビラを配ってる。
なんだろうと、そこにある横断幕を見れは、法輪大法好、の文字が。
あれま、ファルンゴンでございますですよ、これ。

中国本土では強烈に政府から締め上げられてる団体、法輪大法、つまり法輪功です。
秋葉原の電気街口でいつもビラを配ってるあの人たちですね。

かなり、驚く。
香港は中国の法律の外なんだなあ、と実感。

ちなみに、彼らは気孔集団ですから、宗教団体というよりは、
まあ、これも魔法体系の一種ですね。
この横断幕も、直訳すれば“法輪大法サイコー!”ってな感じの内容で、
典型的な魔法体系の宗教のニオイがします。
中世以降の“教祖様”は、まあみんなそんなもんでしょう。

ヘンな話を少し。
ホンマモンの宗教と言うか、絶対神の一神教でおなじみセム語系の宗教、
つまり遅くとも7世紀までに成立した
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の場合は全く事情が異なります。
ノーテンキな近代宗教とは、そもそも神様のメッセージが根本的に違うのです(笑)。

あの神様は、皆を幸せにするとか、人類をラッキーにするとか、
信じればハッピーになれるとかは一言も言わない。間違っても言わない(笑)。
基本的に、あの人(?)は自分以外の連中はどうなっても興味が無いんですよ。

よって「ガタガタ言ってないでオレの言う事聞け」というのがその“お告げ”でして、
人類にとっては、彼(?)を信仰してメリットがある、というよりも、
むしろ信仰しないとバチがあたるから怖いので皆が拝んでる、という存在なのです。
つまり、タタリ神。
基本的に、あの神様はヤクザ屋さんとたいして変わらないのです。

実際、マホメットなんて、最初に神様からメッセージをもらった時には、
あれは悪魔じゃないのかと疑ったそうですし(笑)、
ユダヤ人はヤハウェさんに、そうとうヒドイ目にあわされてる。

個人的には、あれほどメリットの薄い信仰に意味があるとは思えず(笑)、
当時の人たちは、よほど恐ろしい目にあったんだろうなあ、西暦680年以前の
シナイ半島周辺には絶対行きたくないなあ、と思ったりします。
何があったかは知りませんが、とりあえず、
絶対神さんに逆らう気にならない程度の何かはあったのでしょう。

それに比べると、7世紀以降の時代に現れる、自称“神様”は、
完全に正反対でして、だいたい皆、利益で信者を釣ろうとします。
私を信じれば、ラッキー、ハッピー、ラブラブよ、と。
つまり信仰によって、見返りがもらえる、彼(?)を信じるメリットがあるのです。
見方を変えれば、パチモンゆえ、
甘い言葉で人を釣らないと誰もついて来ない(笑)。

本当の宗教と言うのは、人知を超えた恐怖に基づくものです。
そういう意味でも仏教、道教は魔法体系でしかありません。

この法輪功がどの程度、宗教的なのかは知りませんが、
その言動を見る限り、“7世紀以降の烏合の衆の一人”にしか見えません。
中国政府による迫害が、宗教的な理由なのか、
政治的な理由なのか、正直、判断がつきませんが、
なんだかなあ、という気がしなくもなくもない。
ようするに、どっちもどっちなのではないかなあ。

ここまで来たんだから、もうちょっとだけ、やってしまいましょうか(笑)。
共産主義というと、日本じゃ暴力的な労働者、といった程度の印象ですが、
欧米においては、これは無神論と全く同義で、それが恐怖の対象になってます。
フランス革命の負の面を全面継承した共産主義は、
ご存知のように、宗教を精神的なアヘンであるとして禁じました。

なので、アメリカなどでは共産主義者というのは無神論者、
つまり神の存在を否定する人間と同義語になります。

あの国の軍人が、たまにジャーナリストを共産主義者として非難しますが、
あれは別に労働組合員だ、と言ってるわけではなく、
お前は神を信じない恐ろしい人間だ、と言外に言ってるわけです。
(アメリカは神の国なのに、ですね)
大統領が就任の時に聖書を使って宣誓する国で、
これは重大な問題となるわけで、この点が連中の共産主義嫌いの
大きな理由の一つとなっています。

さらに、どんどん話がそれて行きますが(笑)、1917年、ポルトガルで起きた
ファティマ予言事件というのがあります。
カトリック教の奇跡の一つになっているものです。

有名な事件ですので、詳細は各自調べてもらうとして、
この事件の主人公である子供達は、
世界破滅や後の第二次世界大戦を予言するメッセージを受けた、とされてます。

まあ、ウソでしょうね(笑)。

この事件が起きたのは、1917年の夏以降です。
これはロシア革命直後、つまり世界初の共産主義国家が成立した直後、
ヨーロッパのすぐ横に、キリスト教を否定する巨大な国家が生まれた直後だ、
というのに気が付かないと、事件の本質を見失います。
(ソビエト連邦の成立はその後、内戦が終わってからだけど)

私は、日本語訳でしか見てませんが、
少なくとも“予言”のほとんどが共産主義への恐怖からできてる、
というのは、すぐに気が付く点で、あの内容はそれ以上でも以下でもないでしょう。

キリスト教圏の人間にとって、神の否定は、
生理的な恐怖と憎悪を引き起こすものだ、と言うのは知っておく必要があります。

なので、アメリカがやってるダライラマ、法輪功への肩入れは、
政治的な理由もあるでしょうが、何より、キリスト教社会に敵対する、
共産主義国家、中国への自然な反応、と考えないと理解できまない部分です。
ここら辺をいらん外交、軍事の話でいかにもわかったような顔で解説すると、
どうにもトンチンカンな内容になってゆきます。

…うーむ、ちょっと脱線がすぎましたね。
旅行記に戻りましょう(笑)。


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