■香港における駄菓子菓子

旅行記が最終回なら、オマケも当然最終回だ。
さあ、ペロ君、涙を拭いて。
僕達がしっかりしないで、どうする、ペロ君。
…ペロ君?

「…うん…ミーアキャットが今、第4コーナーを回り…まし…ぐう…」

どういう夢を見てるのかね。
起きなさいペロ君、僕達の戦いはまだ終わってないのだよ。

「…え?…あれ?やるの、まだ。いいよ、勝手に進めておいて…」

君も、最後まで付き合うのだよ。
さあ、皆様の健康と精神衛生に配慮して、愛と感動を大幅にカットした、
LOVE&PEACE含有率ゼロなオマケコーナー最終回だ。
レッツゴー。




「優の良品?」

まあ、店の名前は例のファッション日本語だから深い意味は無い。
中国語の優的良品の“的”に“の”を使ってるだけだ。
が、このお店は香港中で見るし、上海にすら進出してるのさ。
そして、ファッションの日本語、ではあるが、実際に日本ぽいのが売りになる店なのさ。

「なんの店?」

零食、すなわちスナック菓子だよ。スナック菓子専門店なんだ。
香港ではこの手の店が実に多く、そしてそのルーツは日本のお菓子にあると言っていい。

「そうなの?」

意外に知られて無いが、アジアエリアに限って言えば、
日本のスナック菓子の人気はかなりのものがあり、ブランド力も強い。
この優の良品も15年近く前に初めて香港で見たときは、
胡散臭い日本風スナック満載の店だったんだが、
いつの間にやらかなりの規模のチェーン店となってしまってたんだ。
それほどの需要があった、という事だろう。

「へー」

ただ、今回もここでお菓子を買ってネタにしようと思ったんだが、
すっかり優良企業になっちゃって、まともな商品ばかり、
しかも結構高い、という事で、とりあえず街中のコンビニや市場で見かけた品々を見て行こう。

「さいですか」




「かにチップ?…これが何?」

まあ、商品名も日本語なら下のキャッチコピーも日本語。
ただし、光の反射で見難いが“素地の持ち味そのままに”というちょっと妙な日本語だけども。

「それが?」

ペロ君はこの“かにチップ”を日本で見たことあるかね?

「いや、オレ犬だし。知らんがな」

うむ、実にエレガントで論理的な回答だ。
ならば私が答えよう。見たこと無いよ、こんなスナック菓子。
そもそも、今の日本で、このパッケージデザインじゃ厳しかろう。

「…つまり?」

全身全霊で日本のお菓子のフリをしてるが、これ、香港のメーカーのお菓子なのさ。

「パチモン?」

まあ、オリジナルがあってパクったわけではないが、限りなくそれに近い。
実際にこれを現地の人が日本製と勘違いして買ってるのかどうかはわからないけどね。
まあ、それだけスナック菓子において
“日本製”というのはステータスなんだ。これはスゴイことだよ。



これも同じ。
こっちは、一瞬私もダマされた。

「のり天ぷらとは、またマニアックな…。この右のは?」

これは日本の駄菓子で、蒲焼さん太郎だ。
一瞬、パチモンかと思ったんだが、これはホンモノ。
まさかこんなもの…と言っては失礼だが、駄菓子が輸出されてるとは思ってなかったので驚いた。

「そこまで人気なわけ、日本のお菓子?」

人気らしいんだよ。
まあ、これだけさまざまな種類のスナック菓子がある国も確かに珍しいかもね。


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