■南の海の中心で
というわけで今回のオマケは、旅行記本編に入れるには、ためらわれるんだが、
かといって無視してしまうには惜しい、というチムシャツイにあった商業ビルの紹介だ。
「まあ、好きにすればええんでないの」
その名を南洋中心! 海の中心てどこだよ!
「落ち着け」
まあ、自分で言っといてなんだが、中心はセンターの直訳で、
とりあえず香港ではショッピングセンターといった意味合いが強い。
ちなみにここは、例のドラゴンボートレース会場のすぐ北、緑地帯の横あたり。
周囲に何もないエリアに忽然と現れた商業施設だったので、つい入ってしまったのさ。
「さいですか」
そしたらこれ。
「……」
……
「久しぶりに見たな、ここまで直球なパチモン道」
よくやるよなあ。
ちなみにここから10分も歩けばスターフェリー乗り場で、
そこには香港上陸20年近く立つ本家本物のトイザらスがあるんだよ。
「勇気あるねえ」
勇気の使い方を間違えてるけどね。
でもって、あの店に行こうと思ってエスカレーターのトコまで言ったら、
この日は閉まってたレストランらしき店頭にこの写真。
「すげえ髪型の女性ですね」
日本の人間界ではそれなりに有名な人だ。
左上には1993年10月の日付がある。
これ、私が香港デビューしたのとほぼ同じ時期だったりして泣けた。
…あ、もしかすると、今ではもう有名だった人なのか。
ここ10年近くまともにテレビとか見てないので、
2010年現在、今でも有名かはようわからんが、まあ、無名な人はないだろう。
「食事どうするんだ、この髪で。相手の右パンチも見えないぞ」
さあな。
でもって、どうもよく知らない右のオッサンがここのオーナーらしい。
右下の黄ばんだサイン、なぜか名前が別紙で添付状態になってる上、
中国人相手に名前を先に書いてたりと、大丈夫かこの人、という感じだが、
まあ、いろんな人が世の中にはいる、ということだ。
「まあ、たまたま日本の有名人が来た、っていう自慢?」
だと思うが…
その写真の下はご覧の状態。
上の写真のオッサン、ここでもほとんどの写真に登場してる。
どうも日本以外の有名人もまざってるようで、どれが誰だかよくわからん。
どう見ても香港というよりは東京ドームの関係者席ではないか、
という写真は、よく見るとサインが入ってる。
「星野の野は野球の野の人?」
と、考えるのが普通だが、さっぱりサインの字、読めないので、
もしかしたら、手前の名も知らぬコーチの人かもしれん。
「このセンス、なんか、東京のラーメン屋とかを思い出すね」
まあね。
自分の価値に自信が持てない人間は他人の価値を利用するしかないわけだ。
いわゆるレンタルタイガーフォックスの法則を全力で邁進する人ってのは、
どの国でもいるものだ、といい勉強になったよ。
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