■貴金属総額最大ページ
お次はチョウの形のブローチ。
これはもう必殺宝石固め、という感じでキンキラキンです。
カラスに見せたら大喜びで持ち逃げするんじゃないでしょうか。
Royal
butterfly brooch、直訳するなら王室の蝶の胸飾りですが、
どこの王室なのやら説明は見当たらず。
Royal
には口語で盛大な、チョースゴイといった意味もあるので、
チョースゴイ チョウの胸飾り、という翻訳もできなくはありませんが…。
解説にあるように使われてる宝石の数、実に2318、総量77カラットで、
造った人は何か根本的にチョウチョという存在を誤解してるとしか思えませぬ。
こちらの448.64カラットという巨大な宝石は緑柱石(beryl)。
緑柱石の代表的な宝石は、エメラルドですが、例によって含有物ごとの色違いがあり、
このピンク色のはモルガナイトと呼ばれるそうな。
ちなみに、この名前は金融家のJ.P.モルガンに由来するのだとか。
なんだってそんな人物の名前がついてるのかは、よくわかりませんが…。
でもって、これはモルガナイトとしてはおそらく世界最大級だそうな。
ヘイゼン(Hazen)ダイヤモンド ネックレス。
さあ、だんだん経済感覚が麻痺して参りました(笑)。
325個のダイヤが使われ、その総量は131.4カラット。
金具部分は全てプラチナです。
さすがにこれだけ重いとカラスも持っていけないので安心でしょう。
ヘイゼンというのは元持ち主の名前だそうで、という事はオーダーメイドですかね。
これも持ち主からの寄贈品、となっておりました。
これでもか、まいったか、というエメラルド尽くしの展示。
エメラルドも、近年は人工宝石によって価格が暴落してると聞きますが、
ここら辺りのは幾らぐらいの価値なんでしょうね。
ちなみに右から2番目の巨大な原石はコロンビア産で858カラットあるそうな。
お次はジャネット アンネンバーグ フーカー コレクションの宝石たち。
これらを寄付したのが、Janet Annenberg
Hooker という女性なのですが、
一体何者、と知らべてみたところ、Philanthropist、博愛主義者である、という
情報しかわかりませんでした(笑)。
博愛主義者が職業、あるいは社会的な肩書きになるとは初めて知ったのですが(笑)、
どうやら大金持ちで、晩年にスミソニアンなどに多額の寄付をしていた人物のようです。
どうにもよくわからんのですが、結婚した相手が大金持ちだった、という女性のようで、
特に何かの才能で財をなした、というわけではなさそう。
ちなみに、この女性は宝石のコレクションを寄贈してるだけではなく、
500万ドルといわれる寄付金もスミソニアンに贈っており、
これらの宝石コーナーは、彼女の寄付金で造られたものらしいです。
でもって、右端の巨大なエメラルドのブローチは
フーカー エメラルド ブローチと呼ばれてる
かなり有名なものだそうで、これまた周辺部はプラチナ&ダイヤモンドです。
問題は中央のエメラルドで、16〜17世紀ごろ、コロンビアで発見された後、
これを征服したスペインが持ち去ってオスマントルコの皇帝に売り払ったのだとか。
で、オスマン帝国皇帝の衣装のベルトバックルに使われていたそうな。
これがオスマントルコ崩壊後、パリで秘密裏にオークションにかけられ、
アメリカのティファニーが競り落としてアメリカに渡って来ます。
ところが最初にティアラに装着して売り出してもさっぱり売れず(笑)
ブローチに作り直してようやく1955年、このジャネットさんが購入したんだとか。
ちなみに1977年にスミソニアンに寄贈されたのですが、
当時の価格で50万ドルと見積もられていたそうな。
お金って、あるとこにはあるんだねえ。
NEXT