■宝石の殿堂



その先の展示室に入ると、雰囲気がガラリと変わり、
お客さんの密度も急上昇してました。
あ、これは宝石の展示に入りましたね(笑)。
前回来たときも、ここは見た記憶が残ってます。

さて、ここからがスミソニアンの本気というか総資産の心臓部なんですが、
あまりに数が多いので、とりあえず国有宝石(National gem)のコレクションを
中心に、全体をざっとだけ見ておきましょう。
まあ、とにかく右を見ても左を見ても、奥様ウットリという展示でございました。

ちなみに、このコレクションで特徴的なのは、
国が金を出して買い集めたのではない点でしょう。
ほぼ全てが遺贈品(bequest)や寄贈品(gift)であり、
おそらく税金として物納された品とかもあるんじゃないかなあ、と。



入り口には巨大な水晶球が。
水晶球とガラス球をシロウトが見分けるのは不可能に近い、
と以前聞いたことがあるのですが、さすがにスミソニアンに置いてあるんだから
ホンモノなんでしょうね。

この水晶球の中に少しでも不純物や汚れを見つけられる?
といった解説が付いてますが、全く不純物がない、
純粋で透明な水晶球としては、これが世界最大なんだそうです。

ちなみに重量48.5kg、直径32.7cm。
そのうち世界魔法大戦とかが始まったら、
これが必要になる日が来るかもしれませぬ。



いよいよデラックスになって来ました(笑)。

左端の“コニャック色の”3つのダイヤはブローチとイアリング。
これは264カラットの巨大原石からカットされたものだとか。
ただし、ブローチが36.73カラット(少数点以下第二位まで表示あり…)、
イアリングが39.58カラット×2で、全然計算が合わないのですが…。
残りは別の商品にされたんでしょうかね。

とりあえず1956年に造られ、1991年にトンプソン婦人という方の遺贈として
国有宝石のコレクションに加わったそうな。

その奥の巨大なネックレスは“シャンペン色の”67.89カラットのダイヤがメイン。
しかし、宝石関係者ってのは酒飲みばかりかいな、
という変な色の命名が多いすねえ…。
私なんざは人体から出てくるアンモニア含有の液体の色にしか見えませんが。

ちなみにこのネックレス、よく見るとチェーンの部分にも、
これでもかとばかりにダイヤが埋め込まれており、
その数108、なんと煩悩の数と一致しております(笑)。
このチェーン部分だけでも総計45カラットになるそうな。

こちらは1977年 ウィルキンソン夫妻からの寄贈品、
という説明になっておりました。



お次は2006年に設立された、ティファニー商会財団が寄贈した宝石たち。

左端が例のトルマリンの一種、エルバイト。
紫の色のものは貴重なんだとか。

真ん中がヘルデル石(herderite)で、薄い緑の色のものも珍しく、
さらに161.08カラットというこのサイズは、おそらく世界最大級ではないか、とのこと。

右端はグロッシュラー(grossular) と呼ばれるガーネットの一種だそうで、
この色のガーネットはケニアとタンザニアでしか見つからない、とのことです。

…ここら辺り、確かに貴重なものなのでしょうが、
前後に並んでる宝飾品がケタ違いにデラックスなので、
ティファニー、微妙に貧乏臭いコレクションしか寄付してないな、
という印象がしなくもなく…。
まあ、逆立ちしたって私に買えるようなもんじゃないですが。


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