■今日の恐竜



さて今回は、この博物館の主役その1(その2は後で登場ホープダイヤ)、
スミソニアン恐竜化石軍団の紹介からです。

おそらく世界最高峰の恐竜化石の展示内容だと思うのですが、
面積的にはロンドンの自然史博物館よりやや狭く、
展示の演出も古いもので、やや味気ない部分はありにけり。

特に今回は中二階が見学できなかったため、
全体的にあっさりした印象が強くなってます。
それでも、これだけの有名どころの恐竜の全身化石が
一箇所に集中してる博物館は世界中でもそうはありませんから、
お客さんも多く、大人気のコーナーとなっておりました。

ただし、全部がホンモノではなく、
一部は鋳型を取って複製したもの(Cast)となってます。



展示の入り口部に建ってるワシントンメモリアルのような柱。

よく見ると手前の面は先カンブリア紀の最終段階、
約6億6千万年前からの1000万年刻みの年表になってます。
右側の1枚1千万年の小さいプレートも
6億6千万年分重ねるとこんな高さになってしまうわけです。
時間の量を長さの量に置き換えると、こんなに説得力を持つとは(笑)…

人類文明どころか、種としてのホモ・サピエンスが誕生してからすら、
まだあのプレート1枚分もの時間は過ぎてないわけです。
もし来年当たり、うっかり人類が滅んじゃったりしたら、
地球の歴史から見たその存在は
誤差の範疇の出来事に過ぎなかった、という事になるなあと痛感。

ちなみに、これでも6.6億年分だけなわけです。
(すなわちカンブリア紀、多細胞の大型生命体が登場した後の年表になってる)
もし原始的な生命の誕生からだと実に40億年ですから、
そう考えると、まあ気が遠くなります。

参考までに40億年を1日の時間に換算してみた場合、
人間の一生(80年)は、わずか0.00172秒、
すなわち約1/500の一秒で、人間には認識するのも難しい、
という長さにしかなりません…。
ついでにキリストさん誕生後の約2000年分でも、
0.0432秒で1秒にすらならないのでした…。

地球規模の時間で見ると、なんともはかない存在です、人類。



展示には1970年代以前の復元らしき恐竜ジオラマもあり。

私が子供の頃見た恐竜の復元予想図は、こんな感じにみんな姿勢がよく、
最近のように猫背だったり、ほとんど寝てるような姿ではありませんでした。
最近の恐竜はたるんでると思いますね。
こんなんで日本の未来は大丈夫なのかと不安になります、ええ。



でもって、ここの展示は
トリケラトプス、ステゴザウルス、ティラノサウルスの展示に力を入れてます。
この3種は北米が出土地の中心ですから、それゆえの展示内容でしょうか。
中でもトリケラトプスの展示は質、量共に見事なものでした。

まずは6500〜7000万年前ごろに生存していたトリケラトプスの全身骨格から。
生息時期はティラノサウルスの同期生となります。

この全身骨格は特に注意書きは無かったのでおそらく本物の化石でしょう。
ただし、後で見るように、一部は複製と言うか修正品のようです。



こちらは頭部だけの化石。
これは確かアゴと頭部は別の固体の可能性有り、
みたいな注意書きがあったような記憶が。
意外にそこら辺り、正確なものではないのでしょうかね。

ちなみにトリケラトプス、種の名称なので単純にラテン語だろうと思ってたんですが、
実はギリシャ語だそうで、3つの角のある顔、という意味だそうな。
なんでギリシャ語なんだかは謎です。

でもって右上にも別の化石が見えてるように、
ここでは複数の頭部化石が展示されていました。
ひょっとしてトリケラトプスの化石は
頭部が一番発見されてるのかもしれません。

頭部後方のヒレ(?)の形にも結構、個体差があるみたいです。


NEXT