■アフリカーナ



展示は歴史的な内容、というものでもなく、
現代アフリカの民芸品やら特産品までなんでもありでした。



かと思うと、突然19世紀の中央アフリカ諸国が好んで輸入した兵器として、
スナイダー ライフルなどが展示されてたりします。
なんとも雑然とした展示ですねえ…。

この混沌とした展示は一体なんだろうと考えてみます。
まず、スミソニアンには先に書いたように科学博物館がなく、
英国(大英)博物館のような総合博物館もありません。
なので、スミソニアンの他の三つの博物館、
航空宇宙、アメリカ史、アメリカンインディアンの
どれにも入らない内容のものが、この自然史館に回されたのか。

しかし、どう見ても学術的とは言いがたい展示ですし、
あまりにまとまりがありません。

となると、いわゆるユダヤ系展示と同じもの、と考えるのが自然です。
すなわちユダヤ系の皆さんはその豊富な資金力、政治力を利用して、
ワシントンD.C.に、ホローコスト博物館を建てたり、
なぜかアメリカ空軍博物館にも展示コーナーを持ちます。
あるいは“イギリスの戦争”をテーマにしたはずの
ロンドンの戦争博物館にもホロコーストの展示フロアがあったりするわけです。

誤解なきよう書いておきますがナチスのホロコーストは
20世紀における人類最悪の犯罪の一つであり(残念ながら唯一ではない)、
そこに弁解の余地はありません。
が、これを盾に現代に生きるユダヤ人の皆さんが
その存在の保護を声高に主張するのは別問題です。

悲劇は繰り返してはなりませんが、
事件と無関係な世代がそれを人質にとった利益追求に出るなら、
それはもはや卑劣な行為だと思います。

が、この金で博物館を買って宣伝を行なう、というのが一種の流行になってしまい、
1990年代以降、日本や韓国は英国(大英)博物館に大金を払って
自国の展示コーナーを設立したりしてるわけです(笑)。

なので、このアフリカ関係の展示もアフリカ系アメリカ人の皆さん、
つまり黒人の団体が、お金を出したか、政治的な力を使ったかで
実現させたもののように思います。

アメリカンインディアンには専用の大型博物館が作られており、
同じく建国当時からの少数派ともいえる黒人の皆さんへの
配慮が必要だったんじゃないかと。
つまり、学術的というよりは政治的、金銭的必要性から
産まれた展示ではないかと思うわけです。

ちなみに奴隷問題に関しては完全にアメリカの歴史ですから、
これはアメリカ史博物館にあり、
それ以前、黒人の皆さんのルーツの展示がここ、という事になります。

まあ、あくまでこれは推測に過ぎないのですが、
この後、2階で別の展示を見て、この推測はほぼ確信に変わります(笑)。



いやもう、ホントにまとまりのない展示でして、
唐突に古代エジプト関係の展示もあったり。
まあ、アフリカではありますが…。
でもってこれとは別に2階にエジプトミイラのコーナーがあったりします。

もう少し、統一性のある展示を考えてもいいんじゃないかなあ。



その先にあった発見の部屋。
子供向けの、体験学習式の部屋のようでした。
無断侵入禁止、ドアのところで係員が来るまで待ってね、と書かれていたので、
英語力の問題と時間の問題を抱える私としては見学を回避します。



その先にあった円筒状の穴があいた石。
ポトマック河で見つかったもので、穴は自然に開いたものだとか。

てっきり水滴によるのかと思ったんですが、
流れが湾曲する川底にあり、水中の渦とそれに巻き込まれた砂の磨耗によって
こういった穴が開いた、と考えられてるそうな。
どんだけ時間がかかるんでしょう、それ…。

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