■その他のあれこれ



ここで、いきなり先祖返り(笑)。
これは1911年製のライトEX Vin Fiz、
初めてアメリカ横断飛行を成功させた機体です。
ついでに今回も懸賞がらみで、どうもアメリカの航空の歴史には
懸賞(Prize)がつきものらしいですね。

1911年に当時のアメリカの新聞王、ハーツ(William Randolph Hearst)が
30日以内にアメリカ横断飛行を成功させたパイロットに
50,000ドル払う、という懸賞金をかけました。
消費者物価指数で見ると(ただし1913年。それ以前はデータがない)
ざっと23.5倍で、現在価格で118万ドル、
約1億1000万円、というところになります。

…アメリカ横断のほうが、フランスまで飛ぶのより、賞金高いじゃん…。

その懸賞に挑戦したのがこの機体です。
最終的に制限時間を超えてしまったため、懸賞金は逃したものの、
史上初のアメリカ横断飛行には成功します。
ライト兄弟の初飛行から8年後のことになりますね。

ちなみに名前からわかるようにライト兄弟の会社の製品で、
ライトEX型という機体です。
1911年、フランスじゃブレリオのXI(11)が飛んでた時代に、
このデザインですか、という感じなのがライト兄弟の特徴でしょうね(笑)。

ちなみにVin Fizというのはこの挑戦のスポンサーになった会社の
清涼飲料の名前だとか。
なるほど、それで翼の下に大書きされてるわけだ。

説明ではロジャース(Calbraith Perry Rodgers)という冒険家が
パイロットと書いてあったのですが、
冒険家(adventurer)って何だ?と思って調べてみると
まだ飛行機が珍しかった当時、個人で飛行機を購入し、
アメリカ中で展示飛行を行なっていたみたいですね。

ちなみに、彼は横断飛行に成功した翌年、1912年に
33歳の若さで飛行中の事故で亡くなったそうです。




で、次はいきなり宇宙探査機、パイオニア10号です(笑)。
1972年3月に打ち上げられた世界初の木製探査機で、
1973年12月、人類が作った物体としては初めて木星軌道に到達してます。

観測終了後は太陽系脱出軌道に乗せる予定だったため、
有名な宇宙人へのメッセージプレートを積んでいました。

ちなみにご覧のように太陽電池はなく、原子力電池なる電源を持っており、
これが予想以上に持ちこたえた結果、打ち上げから30年以上経った
2003年1月まで、通信が可能だったそうな。

それを回収して来て展示するのは不可能ですから(笑)、
実機をつくったメーカーが製作した復元模型らしいです。
ちなみに後から打ち上げられた11号も実質、同じものらしく、
この復元模型の説明にはパイオニア10/11号と書かれてました。



お次も惑探査機で、これは金星に向ったマリナー2号。
1号の打ち上げに失敗して、急遽、バックアップとして取ってあった
この2号が打ち上げられたんだそうな。

1962年8月に打ち上げられ、その年の12月には金星に接近、
人類史上初めて地球以外の惑星軌道からの通信を成功させています。
上のパイオニアと違って、どんどん太陽に近づいてゆくため、
こちらは太陽電池を搭載した探査機となっていますね。



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