■航空宇宙博物館の戦い
というわけで、10時よりちょっと早めに
航空宇宙博物館に到着したため、少々時間待ちとなりましたが、
5分も待つとドアが開いて一斉に入場開始。
ちなみに、スミソニアン管轄の博物館、美術館、
さらに加えて国立美術館、つまりモール周辺の施設は全て入場無料です。
ロンドンもそうですが、こういうところはとてもありがたいと思います。
ただし、モールから外れると
有料の博物館もいくつかあるので注意してください。
で、夏休みシーズン終了後、平日朝イチ、という事で思った通り人は少なめです。
写真撮影作戦、どうやらなんとかなりそうな予感。
ちなみに航空宇宙博物館なんて、
根が暗くて根性曲がってて異性に全くモテない
目つきの悪い偏屈な中年オヤジしか行かないのでは、と思ったら大間違いで、
ここはスミソニアン博物館軍団の中でもトップクラスの人気を誇ります。
年間入場者数は900万人という数字が発表されてますから、
計算の上では毎日24,500人の見学者が押し寄せてる事になるのです。
ちなみに日本で最も人気が高い公共施設と思われる
上野動物園の1日の平均入場者は1万人前後ですから、
(2009年:9675人、2010年:8581人、2011年14,351人)
その2.5倍ものお客さんが毎日来てるわけです。
この日も11時を過ぎたあたりから、日本人の団体さんを含め、
かなりの大混雑となって行きました。
さて、ここで少しだけ、航空宇宙博物館の予習をしておきましょう。
スミソニアンの航空宇宙研究部門は、あのライト兄弟の宿敵(笑)、
ラングレー教授以来の伝統を誇り、
航空機展示部門も第二次大戦後の1946年から活動を始めています。
(ただし機体などの収集はそれ以前から始めている)
が、戦後長い間は前回の最後の方に登場した旧国立博物館、
現在の工芸産業館での展示がメインとなっていたようです。
ところが朝鮮戦争時代の機体、さらにはアポロ計画を中心とした
宇宙関連のコレクションが増えすぎた結果、
独立した建物を持つ必要があるという事になり、現在の地に1976年、
国立航空宇宙博物館(National AIr and Space
Museum)として開館したのでした。
なので最初から航空機やロケットの展示を目的とした建物であり、
幅約280m、奥行き約60mという、かなりの規模の施設となっています。
ところが、ここも間もなく手狭になって来ます。
それどころか、そもそも館内に入らない(笑)
スペースシャトル(当初は大気圏内用試作機のコロンビア)、コンコルドなどが
コレクションに加わってしまったため、新たな施設の建設が決定されます。
それが、2日後に訪れるウドヴァー・ハジーセンターで、
より広い土地を求めてヴァージニア州にある、
例のダレス空港の横に造られたものです。
ちなみにこの施設はライト兄弟の初飛行100周年にあわせ、
2003年の12月に開館しています。
そんなスミソニアンの航空宇宙博物館、まずは本館から勝負です。
さて、ここで現地の案内図を使って、
ざっと本館の構造を見ておきます。
ちなみにこの地図も北が下側になってます…。
北を下にする、というスミソニアン地方ルールとかあるんですかね。
東西方向に長い2階建ての構造ですが、航空機、ロケット関連の展示のため、
1階分の天井が、通常の建物の2階分は軽くあるので、
かなり大規模な施設になっています。
ただし、上の案内図でピンクの枠で囲った部分は
吹き抜けの展示ホールになっていて2階部分はありません。
で、今回の見学ルートは、
まず下図の1階正面入り口から入って、そのままメインイベントの(笑)
第二次大戦機の部屋、西の端の2階にある展示室を見た後、
ちょっとアレとかコレとかを見て、2階の片隅で終わりまず。
ちなみに1階部分は今回、通過するだけですから、
見学面積で言ったら全体の1/10以下です。
どうなるんだ、この連載(笑)。
もっとも、情報密度で言ったら、
全体の1/5くらいは片付いてると思いますが…。
ついでに今回はやたら写真を撮って歩いた、という面もあるのですが、
朝10時の開館時に入って、午後3時まで、
その見学に5時間かかっています。
普通に軽く見るだけ、でも2時間はかかると思っていいでしょう。
ついでながら、1階の左端、建物に付け足すように造られているのが
食堂部で、マクドナルドなどのファーストフードが入ってます。
そして、実はこのマップ、一部で抜けがありまして、
ここには地下もあるのです。
ただし、売店からしか入れず、売店の一部にしか見えないのですが、
前回の記事を読んだ皆さんはご存知のとおり、
その奥には、けっこうトンでもないシロモノが隠してあったりします(笑)。
今回二回目のGIF画像。
案内図でピンクの枠で囲った部分は、このように吹き抜けのホールとなっており、
天井から多くの機体がぶら下げ展示されています。
おかげで、機体の真下から観察する、というのが可能なのですが、
撮影角度は極めて限られる、という弊害もありにけり。
ちなみに画面右奥に見えてるのが2階部分のテラスです。
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