■海軍と航空



お次は空母の管制塔、第一航空管制室、
Primary Flight Control、いわゆる Pri-Fly の部屋。

空母における全ての離着陸の管制作業を行なう部屋で、
航空親分(笑)とでも訳すしかないAir boss と呼ばれる士官が
ここで離着陸の許可をはじめ、航空管制全般を受け持ちます。

艦長やらが居る艦橋部の下の階にあり、独立した指揮体系で
飛行甲板上の機体の運用を行なう事になっています。
私はエセックス級でしか見た事ありませんが、
これまたえらく広い展示で、今の原子力空母はこんな感じなんでしょうか。



そこから先は、ああ20世紀後半の博物館だという
主にパネルによるさまざまな展示が続きます。



飛行機は離陸より着陸の方が長い滑走路が必要なのが普通で、
空母の場合、どう考えてもあの飛行甲板では短すぎます。

なので、各機体は尻尾のところ尾部フック(Tail hook)とよばれる釣り針のような
装置を持っており、これを飛行甲板後部にあるワイアに引っ掛けて強引に停止する、
という豪快な運用を行なっております。

そこらあたりに関する展示で、実際に使われていたワイアと、
機種不明ながら現物の尾部フックが展示されていました。

第二次大戦期の正規空母だと、平均12本ものこういったワイアが
飛行甲板を左右に横切る形で張り巡らしてあり、
機体の尾部フックをそのどれかに引っ掛けて着陸&停止、となったようです。

ちなみに普通にワイアを張っただけだと引きちぎられるか、
機体の方が壊れてしまいますから、
巻かれたリールから少しずつ衝撃を吸収しつつ
ワイアが引き出されて機体を止める、という構造になっています。
ここらあたり全体をまとめて、停止装置(Arresting Gear)と呼ぶわけです。



これは初期のサイドワインダーの頭部、探知部(Seeker)の展示。
マジかよ前回は見落としていたぜ、と思ったんですが、
どうもジャイロとかコンピュータ部とか、重要なパーツは外されてるような…



これまた世界でおなじみの鉄砲、M-61バルカン砲。

エジソン閣下の会社がルーツの一つで、電気やエンジンや金融で知られる
GE(ゼネラルエレクトリック)社がつくったブン回し式機関砲です。
20mm機関砲の銃身を6本束ねて、回転させ発射させることで、
極めて高速な発射速度を得た機関砲。
あまりの発射速度のため、反動と熱を抑えるため、
連続発射は2〜3秒以内という規制があるそうな。

ちなみにこういった銃身を束ねて撃ちだす銃をガトリング式銃と呼び、
バルカン砲はあくまでこのM-61の商品名です。
なのでA-10に積まれている30mmガトリング砲はバルカン砲とは呼びませんし、
あれにはアヴェンジャー(Avenger)という商品名がついてます。


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