■空母なアイツ
奥の方の天井にひっそり展示されてるボーイング社のF4B-4。
この戦闘機は、陸軍の航空部隊が使ったP-12と基本的に同じ機体だったはず。
第二次大戦前、1929年に初飛行した複葉、固定脚の艦上戦闘機です。
アメリカが本格的に空母の配備を始めた頃の主力機であり、
1937年まで運用されています。
平和な時代の機体、さらに大恐慌直後の貧乏時代の機体ですから、
どうも総数で190機前後しか造られてないみたいですね、これ。
まあ、第二次大戦時のようなエセックス級空母完成ラッシュの前ですから、
空母そのものがあんまり無かった、という面もあるでしょうけども。
ちなみに、これを含めるとアメリカのF-4は、このF4B、F4Fワイルドキャット、
F4Uコルセア、F4ファントムIIと実に5機種にもなります。
ここら辺りは海軍式の命名ルールの結果なのですが、
これでいいのかと誰も疑問に思わなかったんでしょうかね…。
この機体展示部分の床は空母と同じ滑り止め(Non
skid)加工で造ってある、との解説。
現代の原子力空母の甲板は広大ですから、少しでも軽量化しないと、
すさまじい重量になってしまうほか、海水に対する耐久性も必要で、
それなり高度な技術なんだとか。
目立たない部分ですが、意外に凝った展示となっているわけです。
といった感じで機体展示室の見学は終了、写真右手にある資料展示室に向いましょう。
その入り口の横に、以前は無人機展示コーナーの場所にあった
CVN-65エンタープライズの模型が置かれてました。
2012年12月に退役した世界初の原子力空母ですが、
その段階までに、実に50年以上に渡って運用された事に。
このため退役時には、今回ボストンで見た帆船、コンスティチューションに
次ぐアメリカ海軍籍では古い船となっておりました(笑)。
一番古いのが木造帆船で、二番目が原子力空母という辺り、
アメリカ海軍すげえ、と思います。
(ただし2009年までは横須賀に居た通常動力空母
CV-63キティホークの方が古参だった。これも50年選手)
まずは空母の環境を再現した展示。
今の原子力空母って、こんなに空間の余裕があるのか、
それとも適当な再現なのかは謎ですが、
私はこんなにスカスカな空間の軍艦の艦橋は見たことがありませぬ。
つーか、この展示、航空宇宙の範疇なのか、かなりギリギリのような…。
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