■ロケットの力だ
これも海軍のラーク ミサイル。
そもそもは日本機による特攻に驚いた海軍が、
1945年1月ごろに艦隊防衛用に開発を始めた艦対空ミサイルだとか。
ただしレーダー誘導という当時としては斬新な技術に挑んだため、
最後まで実用にはならず、1952年まで使用されたものの、
結局、実験機として終わったそうな。
写真はさらにその後ろにブースターを搭載したもの。
ここら辺りは、アメリカが使用してた実験用ロケットの類。
一番手前は、無誘導の対空ミサイルだったロキを改造して、
高高度の大気調査用ロケットに改造されたロキ・ダート調査ロケット、
その奥はブースター部を見ると分かると思いますが、
NACAが1950年代前半に試作した超音速ラムジェット実験機。
その次、ちょっと黒っぽいのは1957年に製造されたファー サイド 実験ロケット。
これは気球にぶら下げて高度3万m前後まで浮上させ、そこでエンジンに着火、
少ない燃料で宇宙空間まで飛んでゆける、という調査用のロケットだとか。
最大高度6400qというとんでもない性能を誇ったとされます。
ただし、最大でも2kg前後の機器しか積めなかったそうな。
余談ですが、2009年くらいからアメリカでは高高度気球にカメラを積んで飛ばし、
これを回収して動画サイトで公開する、ってのが流行ってますね。
(最後に破裂させるのだが、気圧によるのか時限装置によるのか不明)
それらを見ると予想以上に気球は高高度まで上昇できるようで、
気球をなめちゃいけないな、と思います(笑)。
最後、一番奥はナイキ ケイジャン(Nike-cajun)調査ロケット。
その名の通り、ナイキ 対空ミサイルの一段目を利用した2段ロケットで、
1956年から76年にかけて、もっともアメリカで利用された
調査用ロケットだったとか。
これはちょっと珍しい未使用のJATO ロケット。
JATOはJet assisted Take off
離陸用補助ジェットの略ですが、
このジェットは噴流の意味で、実際はロケット装置です。
大型機が離陸距離を短縮させるために胴体横に装着、
これで一気に加速して短距離離陸を行なう、というもの。
展示の物はRI502というドイツ製のJATOで、
ゴータ Go242などの大型牽引グライダー離陸用に使われたものだとか。
ちなみに運搬用の箱もオリジナルのもの。
まあ、これもロケットといえばロケットですからね。
はい、と言う感じで今回の本編はここまで。
次回もロケット兵器編が続くのであります。
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