■さらにはこんなものまで
お次はスペースシャトルに関連する宇宙機器を。
なんじゃこれ、という感じですが、SRTMと呼ばれる
スペースシャトルから運用された地質学用レーダーの延長部。
ただし延長アンテナ部だけであり、
軌道船に積まれていた装置本体とレーダー部の展示はなし。
とりあえず軌道船から、この延長アンテナを展開したのですが、
なんだか絡まった糸のような結合部は折りたたみ式で、
完全に伸ばすと60mにもなります。
なんでそんな事をといえば地上の3D地図を作ろうとしたからで、
60mの間隔を置いて2箇所にレーダーアンテナを設置することで、
上空から立体的に地形を把握するためのものでした。
宇宙から、高度方向の三角測量をやった、という事でしょうね。
2000年に打ち上げられたこの装置によって
地表の70%近くの3D地図を製作することに成功したそうで、
当然、そこには軍が絡んでます(笑)。
各地の地形と高度がわかれば、自動飛行で飛ぶ巡航ミサイル、
さらには無人偵察機を、地球上のどこでも確実に飛ばせますし、
相手のレーダーの場所がわかってれば、そこから探知されないルートも
あらかじめ知ることが可能です。
アメリカの情報量力の恐ろしさは、こういった力技をホントにやっちゃうとこでしょうね。
後はそのデータをキチンと運用できるか、という問題が残りますが。
TDRSという通信中継用の衛星。
地球を周回する宇宙船と交信するには、地球中に通信センターが無いと不可能で、
アメリカとは反対側、地球の裏側にある宇宙船と交信するには
そのエリアに通信所を設置する必要がありました。
が、これでは不便だし、運用に金がかかってしかないので、
NASAが1983年から打ち上げ始めた中継衛星がこれ。
これを静止軌道上に複数打ち上げて地球を取り囲み、
宇宙船がどこにいようとアメリカ本国と通信できるようにしてるようです。
ちなみにチェレンジャーの最初の打ち上げ時に
積んで行ったのが、この衛星だったとか。
こちらは宇宙実験棟。
スペースシャトル軌道船の荷物室に搭載され、
中で各種実験が行なえるようにした設備です。
開発はヨーロッパ宇宙開発局らしいのですが、2基が造られ、
1983年から1998年まで、計16回の実験飛行が行なわれたのだとか。
展示のものはその1号機で、9回宇宙を飛んでるのだとか。
ちなみに予想外に巨大で全長7m、直径4mあり、
宇宙空間で壁全面が使えることを考えると、我が家より広いじゃん、これ。
ついでながら、英語ではSpacelab
の愛称があり、
例のアポロ計画のお釣りで行なわれた
Skylab と混同しないように注意が要ります。
アタマの優れないロボットの顔のように見えますが、
軌道船の常務員室から、上の宇宙実験棟に移動するための通路です。
まあ、貴重なものかもしれませんが、コメントには困りますね…。
ちなみに実際に使う場合は、上の実験棟と同じ
断熱用のシートで包んで使われます。
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