■小型の園



ここからは小型機を見て行きます。

まずはネルソンBB-1 ドラゴンフライ。
1946年に開発され、1947年に発売が始まった
アメリカ最初のモーターグライダーだとか。
元々はBA-100という木製グライダーがあり、これを改良したものらしいです。

ただし全部で7機しか造られなかったそうで、
これをもってアメリカのモーターグライダー史が始まる、
と言っていいかは、微妙なような気も…



ビード(Bede) BD-5B。

1971年ごろから発売された小型のホームビルド機で、
これも結構カッコイイですね。

このスタイルと、低価格から発売当時は大きな反響を呼んで
5000機近い予約が入る大ヒットとなったとか。
ただし、間もなく会社が倒産、キットは全てのパーツが揃わず、
ほとんどの機体がそのまま放棄されてしまうことになったとの事。

ただし、そんだけサンプル数があると(笑)、
一定比率でやる気と根気の器用さを持ち合わせた人物が含まれるようで、
50機前後が最終的に完成しており、
民間機のNナンバーで登録されてたそうな。

足りないパーツは自作したんでしょうかねえ…。



コスモス フェーズII。

一見するとハンググライダーにエンジンつけた自家用機、
くらいの認識で終わってしまいますが、
Operation Migration/渡り作戦という法人団体(ボランティアグループ)が使用した、
おそらく人類初の快挙を成し遂げた機体です。

“渡り作戦”は絶滅の恐れがある野鳥を保護する団体で、
人工孵化によって希少種の鳥たちの繁殖を行なっているのですが、
問題はせっかく雛から育てた渡り鳥たちも、
親がいないと渡りのルートがわからず、越冬地に行けなくなる、という点でした。

で、この機体の登場です。わかりましたね?

この機体にGPSと拡声器(渡りの時の声を流す)を取り付け、
群の先頭に立って飛び、アメリカ北部のウィスコンシン州周辺から、
フロリダ州まで2000q以上を数日かけて飛行、
人工飼育した鳥たちを越冬地に連れて行くのに成功したそうです。

他にもカナダから4000q近くの距離も飛んだ事がある、とされてましたから、
なんとも壮大な飛行となっています。
ちなみに平均時速は51q前後らしいですが、最大では112.7q/h、
地上からの高度も1200mを超えるとか。

そのほかにも、鳥の親の代わりに一緒に飛んで
飛行訓練を行なうのにもこういった機体を使うとのこと。

現在も活動は続いてるらしいですが、
世の中にはスゴイ人たちがいるな、と改めて驚いたのでした。


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