■その他もろもろ



お次はちょっと変わった機体、ジャイロダイン社のQH-50C D.A.S.H.
無人対潜水艦ヘリコプタ。
これは海上自衛隊でも使ってたみたいですね。

1959年に初飛行したリモコン無人ヘリで、小型の駆逐艦などからも
運用できる航空兵器として開発されたもの。
離着陸空間を小さくするため、2重反転ローターを採用、
エンジントルクの反作用を消すことで、テールローターが不要になってます。

ただし、無線操縦のためのカメラ等は一切無く、
艦橋から見える範囲で飛ばしていたようですから、
その行動範囲は、それほど広くなかったと思われます。

それでも対潜水艦用魚雷2本、さらには核爆雷まで搭載可能となっており、
攻撃力だけは十分なものを持ちました。
逆に言えば、1960年代には駆逐艦まで
核兵器を搭載していたわけです、アメリカ海軍…。

ちなみにベトナム戦争の時にはこれに無線カメラを積んで、
戦艦の艦砲射撃の着弾観測もやっていたみたいですが、
どの程度役に立ったのかは、よくわからず…。



お次は航空機用レーダー、AN/APG-59。
F-4ファントムIIのスパローミサイルに対応した、索敵&誘導用のレーダーで、
ファントムのあの長細い鼻面の中には、これが入ってるわけです。
ただしこれはレーダー部のみで、火器管制装置(FCS)の本体は別にあります。

ちなみにこの世代からすでに、地面からのレーダー波反射を無効化し、
自機より下方向に居る機体も発見可能(ルックダウン能力)なのだとか。
この手の話は話半分で、というのがルールですが(笑)、
本当ならすごいですね。



ベトナム世代で紹介し忘れていた、ベル社のヘリコプター、UH-1H イロコイ。
ベトナム戦争といえばこのヘリコプター、
という感じで、あまりに有名な機体ですね。

第二次大戦末期から虫の息だったベル社の経営は、
ヘリコプターの開発で一気に大逆転となるのですが、
その中でも最も売れたのが、1956年に初飛行したUH-1シリーズでしょう。
ちなみに総生産数は16000機を超えてますから、
これも世界中で見れる機体となっています。

ついでながら、これまで造られたあらゆるアメリカの軍用機の中で、
この数は歴代2位の生産数記録だそうな。
ちなみに1位は18000機を越えてるB-24だそうで、
ああ、フォードの素敵量産パワー恐るべし…

ちなみに展示の機体は4年以上ベトナムで戦って、
無事に帰還した機体なのだとか。



といった辺りが、ボーイング航空ハンガー右端部の展示なのですが、
この辺りはまだまだ展示空間に余裕があります。

こういった将来に向けて余裕を持たせた設計には好感が持てます。
今後も展示は増やせるって事で、期待大ですね。


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