■そして到着
これでした。
行き先がダレス空港になってるのでイチマツの不安を覚えるも、
運転手のオバサマにウドヴァー・ハジーに行くアルカ?と聞いたら、
このバスに乗りな!とジェスチャーで返される。
ウヒョー、カッコいいじゃねえか、惚れちゃうぜ。
普通のバスとはちょっと違う感じですが、空港周辺の施設をぐるぐる回るものらしいです。
ちなみにウドヴァー・ハジーセンターまでは10分前後の時間で運賃50セント。
久しぶりにアメリカでこれは安いぜと思える体験でした(笑)。
でもって運転手さんの横、ガチャガチャの販売機みたいのが料金箱で、
見てのとおり、オツリなんて出ない機械。
なので一昔前のアメリカのように、金額ぴったりの小銭の用意が必要です。
ついでに、独立記念日やらクリスマスのような
アメリカ中の祝日(州のではない祝日)は運行を休むらしいので、ご注意アレ。
ちなみにクリスマスだけは、ウドヴァー・ハジーセンターもお休みです。
はい、到着。
ようやくやって来ました8年ぶりのウドヴァー・ハジーセンター。
写真のようにバスは入り口の直ぐ横に到着するので、便利です。
余談ですが、ここはその立地の悪さから(アメリカでは普通かもしれないが)、
広大な駐車場があり、普通は車で来るのでしょう。
ただしこの駐車場、有料でして、しかも時間に関係なく15ドルも取ります(笑)。
ワシントンD.C.からのバスが往復で13ドル、という事を考えると安くはないでしょう。
ちなみに、スミソニアンの施設ですから入場料は無料です。
ウドヴァー・ハジーセンター全景…と言いたいところですが、
これはあくまで入り口周辺の構造物で、カタツムリの頭みたいな部分。
この後ろに巨大なカマボコ型の展示用ハンガーがあり、
さらにその奥には宇宙関係の展示の第二ハンガー、
そしてその横には復元整備用の工場まで備わっています。
床面積だけで実に71000平方メートル以上(修復工場含まず)、
そこに複雑な空中回廊が組み合わされ、天井からのぶら下げ展示の機体が加わり、
間違いなく世界最大規模の航空博物館です。
規模、展示点数でここと勝負できるのはデイトンのアメリカ空軍博物館くらいですが、
あちらは軍用機専門ですから、総合施設としてはこっちが上と考えていいでしょう。
そもそも既に見たモールにある航空宇宙館の本館は、
あまりにキッチリした設計の建物にしてしまったため、
展示の拡張性に乏しく、1976年の開館後に追加された機体展示は
決して多くはありませんでした。
ところが、スミソニアンの航空宇宙部門は第二次大戦以来の
膨大な数の機体を保管しており、これが戦後60年近く
倉庫に眠ったままだったわけです。
この事態に対し、新たな展示施設をドーンとプレゼント、という事をやった
個人がおりまして、それがこの施設の名前にもなってる
スティーブン・ウドヴァー・ハジー(Steven
F.
Udvar-Házy)さんなのでした。
が、正直言って、誰だそれ、というのが日本人の私の感想なんですが(笑)、
この人はハンガリー出身の実業家で、
世界二大航空機リース会社のうちの一つのオーナーなんだとか。
その彼が6600万ドル(約66億円…)をスミソニアンにポンと寄付、
2003年12月に完成したのがここです。
ホントにアメリカの金持ちはシャレになりませんね。
が、それほどのハジーさんでも、世界の大金持ちランキングでは409位なんだとか。
…ほんとにあるとこには、あるんですねえ、お金。
ちなみにこのタイミングはライト兄弟の初飛行100周年でしたから、
本館のアメリカ建国200周年(1976年)の開館といい、
そういったのが好きなんですかね、スミソニアン協会。
で、これによって、今まで倉庫に眠ったままになっていた
多くの機体の修復整備、レストアが大規模にスタート、
1976年前後のいわゆるスミソニアン一期生から30年近く経って、
第二期レストアシーズンが到来します。
ちなみに、このレストアに関しては別予算だったようで、
エアバス社が600万ドル(6億円)もの寄付をしてるそうな。
それらの機体がここにズラリと並ぶのですが、まあ世界的なコレクションであり、
世界中でここにしかない、という機体がいくつもあります。
ちなみに、こんな施設の名前になってるのでとっくにお亡くなりになってるのだ
と勝手に思ってましたが、2014年1月現在、ウドヴァー・ハジーさん、存命です(笑)。
ついでに、建物の右側に見えてるのは管制塔型の展望台ですが、
内部では航空管制の各種展示があり、
実際に使われてる機材などを見せてくれます。
ただし、今回は時間切れで立ち寄っておりませんが…。
前回の訪問は2005年の7月で、開館から1年半近く経っていたのに、
実は施設の一部はまだ建設中で食事をする場所すらない、という状態でした。
さらにオープンにレストアが間に合わなかった機体などもあった結果、
私の訪問後、バンバン展示の機体が増える、
という泣きたいような状況になっておりました。
その無念を晴らすときがついにやって来た、と思うと感無量でございます。
現在午前10時半、閉館は5時半ですが、
帰りのバスは4時30分最終と聞いているので、活動可能時間は6時間。
全力勝負になるぜ、という予感とともに、さっそく入りましょうか。
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