■今度は正しい道へ



さて、正しい道に更正、あとはこの道なりに進むだけのはず。
この辺りは木が全然成長しておらず、芝生もボロボロで、
おそらく新しく開発された地域なのでしょうね。

前に来たときに書いたように、アーリントン墓地はすでにほぼ満杯になりつつあり、
他の地区への拡張が検討されてるらしいですし。



ポツンと立ってる木の下に、アメリカの国旗が見えてました。
その横にお墓のようなものも見えてます。

通常、独立記念日などに、
こういったお墓の前に国旗の飾りつけはやるらしいのですが、
この日、なぜこのお墓だけこうなっていたのかは全くわからず。

ちなみに、アーリントン墓地は陸軍の管轄ですから、
そういった作業や、ここでの埋葬と国葬のために
専用の儀仗兵の部隊が駐屯しています。

それが第3歩兵連隊(3d U.S. Infantry Regiment)で、
この連隊はアーリントン墓地の管理を専門とするちょっと特殊な部隊です。
このため、ベトナム戦争や朝鮮戦争時に徴兵された兵士の中には
親のコネで安全なこの部隊に配属された、と言われる人物がけっこう居たようで、
今でもこの連隊は微妙な存在、という部分があるみたいです。

ただし、ここに回されるような人物の親は小物と思ってよく(笑)、
あのケネディ家の父などは、
朝鮮戦争で徴兵された四男(兄弟の中で最後まで生き残る事になるエド)を
安全なNATO方面、ヨーロッパに配属されるように手配してました。
これなら立派に国外に派遣されたわけで経歴に傷が付きませんし、
命の危険もありませんから。



さて、やって来ました60番地。
この番地表示を探して行けば迷わずたどり着けるでしょう。

ここは先に見たところよりは木も育ってるし、芝生も根付いてますから、
造成されてから、ざっと20年以上は経っている感じです。

それでも南北戦争から数えると、つい最近の軍人さん、という事になるのでしょうが。



が、たどり着いてからも、この中から探しだす必要があるわけで…。

各お墓の一番上に数字が彫られているのがわかると思いますが、
これがそれぞれの最終的な住所で、手前の右のお墓は60番地の1897号となります。
ボイドは3600番台だったはずで、こりゃまだ相当奥のほうですね。

しかし、これだけ同じような白い墓石、よく集めたなあ、と思います。
鉱山丸ごと買い取らないと、この墓地全体の墓石はとてもまかないきれないのでは?

ちなみに、通路とかはない以上、この中を歩きまわるわけですが、
最後の審判を信じるキリスト教徒の皆さんのお墓は死体をそのまんま
棺桶にいれて埋めてるだけです。

すなわち、今、この足の下に死体が埋まってるんだなあ、
とか考えてしまい、ちょっとぞっとする。

全財産賭けてもいいですが(笑)、この地球が存在する間に
最後の審判なんて絶対来ないですから、
21世紀にもなったことだし、そろそろ火葬にしませんか…



えーと、3600番台なら、ここら辺だろう、
と思ってウロウロしてたら、あ、ありました。
思ったよりあっさりたどり着け、前回の失敗はなんだったんだと泣きたくなる。

ちなみに、ここの墓石、文字が着色されて黒いのと、
着色がないのとがあるのですが、
ボイド閣下の墓石は墨文字で判りやすくて助かりました。

ついでに、お墓の上にあるマークは埋葬者の宗教を現すのですが、
ここに見えてる十字架はキリスト教徒を意味します。
ちなみにアメリカのキリスト教は各派が星の数ほどある上、
引っ越しただけで宗派を変えちゃう人がいくらでも居るので、
そこまでは明記されてないようです。
(女性を口説くのに相手の宗派に改宗した例すら読んだ事がある)

それ以外のお墓だと星印のユダヤ教徒が居たのですが、
イスラム、ヒンズー、仏教といった宗派は見当たらず、
それらがどういった扱いになってるのかは謎です。

イスラムだと恐らく三日月のマークでしょうが、
仏教やヒンズーはどうなるんだ?ハスの花?
シーク教だとターバンが縞パンツ?


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