■GUNGUNGUN
まあ動機はなんであれ(笑)、見事なコレクションなのもまた事実で、
一箇所にこれだけのあらゆる銃器が集まってるのは初めて見ました。
私がこれまで見た中では銃器の展示が一番充実してた施設は
ソウルの戦争記念館なんですが、
この展示単体で、それに匹敵する内容がありますね(笑)。
せっかくだから、主なものだけでも見ておきましょう。
一番上はもはやお馴染み7.62mm M-1 ガーランド。
第二次大戦時から朝鮮戦争にかけての
アメリカの主力歩兵銃で、アメリカ史博物館にもあったやつです。
これのどこがインディアンの歴史と文化に繋がるんでしょう(笑)…。
ちなみに各銃の解説には年号が入ってるんですが、
これがメチャクチャ適当で全く参考にならない、どころか混乱するだけだったりします。
このガーランドの解説に書かれた年号は
1950-2000年、なんの年だという感じでして(笑)
恐らく軍から払い下でられたこの銃の持ち主が使っていた期間でしょうか。
その下の大型のライフルは銘無し(Unmarked)の7.62mm狙撃銃という、
私がこれまで見てきた中でも、
もっとも無責任な解説がついてましたが(涙)、
恐らくドイツ製のH&K社 G3ライフル。
M-16やAK-47と並ぶ、戦後の代表的な歩兵銃、ライフルです。
その下のちょっと小型のは有名なイスラエル製サブマシンガン ウジー。
インディアンがウジー使って騎兵隊と戦ったという話は
聞いたこと無いですが(笑)…。
通常のウジーはコンパクトさがウリで、こんな長い銃身のタイプは初めて見ました。
火薬の圧力が長時間続く分、破壊力は上がるでしょうが、
反動もデカクなるし、長い銃身は邪魔にもなるしで、使い道は限られそうな感じが。
ちなみに、展示担当者はよほどこの銃が好きなのか、
この下にももう1丁、通常の短銃身のウジーがありました。
で、一番下の見慣れない銃、これがとんでもないシロモノで、
これACR計画向けのコルトによる試作銃ですよ。
1980年代に計画されたM-16ライフルの後継銃の開発計画が
先進型戦闘ライフル計画(Advanced
Combat
Rifle/ACR)で、
最終的にこの計画はキャンセルされてしまうのですが、
それでもいくつかの兵器メーカーが軍の要望に沿った試作銃を造りました。
展示のものは、コルトで造られたそのACR試作型ライフルなのです。
コルト製なので従来のM-16の発展型となっており、
ACR/M16A2E2という名称が与えれられていたはずですが、
ここの展示では一切説明がなく、よくわかりませぬ。
つーか、これインディアンうんぬん以前に、
軍事博物館に送るべきものでしょう、ホンマに(笑)。
右は漫画や映画でよく出てくるいわゆる“コンバットマグナム”で、
これはステンレスモデルのM66の方みたいです。
ちなみにこの型には短銃身と長銃身があるはずで、おそらくこれは長銃身の方。
破壊力も上がりますが、当然、反動も大きくなります。
うん、もうインディアンなんてどうでもいいや、というのがよく理解できる展示です(笑)。
その後ろの小さい銃は、同じS&WのM10の6インチ(長銃身)型。
正面から見てるので判り難いですが長銃身型です。
1899年に製造が開始された古典的なリボルバーですが、
どうも調べて見たら未だに生産続いてるみたいです、これ。
ちなみにこの銃はグリップ(握り)の部分の左右のカバーが外され、
中が丸見えになってます。
展示にあたっての演出なのか、何か意味があるのか、よくわかりませぬが。
さあ、ここまで来ると、なんだかもう楽しくなって来ましたよ(笑)。
一番上はもはや説明不要であろうベトナム戦以降のアメリカの主力歩兵銃M-16。
その下はそのライバル、ソ連製のAK-47。
AK-47は無断コピーの(笑)中国製も含めて星の数ほどバリーエーションがあり、
これがそのどれにあたるかは私にはわかりませぬ。
右下はドイツの歩兵銃のマウザーですが、
どうもマウザー1909というタイプで、アルゼンチンで製造されてた型らしいです。
ようやく西部劇らしい銃が並ぶ中で、なんだこりゃ、という
長銃身拳銃が展示されておりました。
ついでにこれ、引き金が見当たらないんですが、
ガッツと根性で撃つとかなんでしょうかね。
1836年から10年ほど製造されたコルト パターソン(Paterson)という拳銃だそうで、
調べて見ると銃身の長さが13.75インチ(35cm)もあるテキサス型というものみたい。
いやはや、ムチャクチャな銃があったもんですが、
牛でも撃つ気だったんでしょうか。
持ち運びも大変なら、反動もすごいでしょうから
使い道は限られたんじゃないでしょうかね、これも。
その右下のはコルト M1861ネービーだそうですが、
別に海軍専用というわけではなく、
南北戦争時にはかなり多く使われていた銃みたいです。
といったところが目に付いたものなのですが、
私にはよくわからない19世紀のライフルやら散弾銃が
ズラリと並んでおり、おそらく世界でも最大級の銃器展示だと思いますから、
興味のある人はこれだけのために訪問する価値はあるかもしれません。
あくまで、インディアン博物館のはずなんですけどね、ホントは(笑)。
NEXT