■いろいろあったのだ
お次はフリーメイソンが使うシンボルについての解説。
まずはフリーメイソンリー ロッジ円柱(Masonic
lodge
columns)。
フリーメイソン式曼荼羅の絵や、
前回見たロッジの儀式用の部屋などでも見かけたように、
円柱は彼らの主要なシンボルの一つです。
ただし、これは地球儀などの代わりに王冠のような飾りをつけたタイプ。
説明によると、旧約聖書に登場する古代イスラエルの有力な王、
ソロモン王がエルサレムに建てた神殿の柱を模したものだとか。
言うまでも無く、完膚なきまでに滅ぼされた古代イスラエルの神殿の柱など、
見た人は居ないわけで、ソロモン王神殿の柱といわれれば、
そうなんですかねえ、と言う他ありませぬが(笑)。
ついでにソロモンはキリスト登場前の旧約聖書時代のユダヤ人の王であり、
知恵の人として知られますが、同時に中世ヨーロッパなどでは
魔術師(悪霊使い)として崇拝されていた人物だった
という事にも注意しておく必要があるでしょう。
ちなみにこれは1902年、カンサス州のロッジが造らせたものだとか。
こちらは完全石(Perfect
stone)。
これもフリーメイソンが好きな四角い石のシンボルで、
完全なる状態を象徴するものですね。
だとすると、特定の比率とかで切り出されてるのかな、
と思ったのですが、そこまでは説明が無し。
右のは何気ないベッドカバーですが、よく見ると上の模様の中に
コンパスと直角定規、ピラミッドなどが織り込まれています。
さらにその下は水平儀、全能神の目、市松模様の床、星とやりたい放題になってます。
左は装飾用のステンドグラスで、これもコンパスと直角定規が見えてます。
1869年に集計された、会員数でトップ10に入ってる アメリカの各種互助会リスト。
トップはオッド フェローズとなってます。
これもイギリス発祥の秘密結社な匂いのする互助会で、
フリーメイソンリーのように、ロッジ単位で運用されてます。
その次、2位がフリーメイソンリーで、約75万人と、結構な数がいますね。
注目は一番下、こういった各種組合に加入してる人の数で、
総計で約350万人となってます。
この時期のアメリカの総人口は約6500万人前後、
半分が男性として3250万人。
つまり、男性の10人に1人はなんらかの互助会に入っていた、となります。
当然、子供を別にすれば、もっと比率は上がりますから、
19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカは、
秘密結社的な互助会が溢れていた、という感じなんでしょうかね。
が、盛者必衰は全ての組織が例外ではなく、
フリーメイソンリーも近年は会員がかなり減少してるようです。
冷戦最高潮、世の中軍人だらけの1950年代に会員数400万人でピークを迎えた後は、
20世紀の間はひたすら現象が続き、2000年には最盛期の半分、200万人になってます。
ちなみにこの間、アメリカの人口は1億5000万人から3億1千万に倍増してますから、
フリーメイソンリーの衰退は際立ってると言えるでしょう。
その後、劇的に会員が増えたとは聞きませんから、
今でもこんな感じで苦労してるんじゃないでしょうか。
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