■独立記念館



その先でやけに人が集まってる場所が見える。
とりあえず行って見ますか。



おお、ここが独立記念館でした。

もともとは植民地時代のペンシルヴァニア州議会だったらしいのですが、
ここで独立宣言が採用されたほか、合衆国憲法が採択されたのもここです。
例の10年間の首都時代には、合衆国議会が置かれていた建物でもあります。

ちなみにこれ、NHLだろうとは思ってましたが、
それどころか世界遺産にも登録されてるんですね。

例えば、南米のどっかの国で、
同じような時代に同じような政治の舞台になった建物があったとして、
果たして世界遺産に登録されたか、というと疑問でして、
ユネスコに言う事聞かせるにも国の力って重要なんだなあ、と思う。
まあ、その結果、世界中の世界遺産の半数くらいは
なんだこりゃ、というものになってる印象がありますが。

で、さっそく入ってみよう、と思ったら警備員の人に、
こっちは出口だよ、整理券をもらって正面の入口から回って、と止められる。
あれま。

以下、余談。
アメリカ合衆国議会は、United States Senate、合衆国元老院、
そしてUnited States House of Representatives 合衆国代議院
という二つの議会があります。
日本の参議院と衆議院みたいなもんです。

でもって、それらに対する俗称と言うか、
通称が Upper house と Lower houseでして、
日本語ではこちらの通称が採用されており、
上院(元老院)、下院(代議員)と呼ばれてますね。

で、今回、ここを訪問して案内を見たところ、元老院が2階(上)、
代議員が1階(下)を使っていた、という事で、
どうもこれがUpper house と Lower house、
すなわち上院、下院の名前の由来でしょうか。



さて、しょうがない。
とりあえず正面に回るべく大通りに出ると、馬車が走ってました。
ニューヨークで観光馬車が走ってるとは聞いてましたが、
フィラデルフィアでもあるんですね。
浅草で見かける人力車みたいなものでしょうか。

もっとも浅草の人力車はここ20年で急激に増えた観光産業で、
私が子供の頃は、あんなのありませんでしたけども。

ついでに、19世紀中盤ごろニューヨークの有識者にアンケートを取り、
これ以上ニューヨークは巨大な都市に成長するか、と聞いたところ、
ほとんどがそれに否定的で、その理由は馬車の馬を飼うスペースが足りなくなり、
飼い葉も不足する、さらに馬糞公害(笑)がこれ以上
悪化したら人々は街から逃げ出すだろう、という理由だったそうな。

これ、よくアメリカのIT企業の経営者が技術革新の予測の難しさを
説明するときに使う話なんですが、未だにその出所がわかりません。
ありそうな話なんで、なんらかの根拠はあると思うんですが。



さて、独立記念館の正面に来ました。
が、整理券をどこでもらうのかがよくわからない上に、結構入口で行列してます。
帰りの列車まで、残り時間は1時間を切っており、
ちょっと悩んでここの見学は断念します。



で、その前の緑地に何か看板が立っているので見て見ると、
これが自由の鐘、リバティーベルの展示入口の案内じゃないですか。
てっきり独立記念館に設置されてるのだと思ってましたが、
取り外して別の場所で展示してるんですね。

しかも整理券などは不要です、とのこと。
よし、これを最後に見て撤退としますか。


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