■船の橋だから艦橋



向って左側にあった、機関室へと繋がる出力指示器。
上のレバーを前進、停止、後退の各位置にセットすると、
機関室にある指示器でも同じ位置が指し示され、
それを見て機関室は運転を調整します。

ちなみに、蒸気タービンだと後退は専用タービンが必要で、
前進、後退でその接続を切り替える必要があるんですが、
この艦はピストンエンジンですから、ギアでなんとかしてたんでしょうか。



なぜか反対側にも同じものが。
戦闘時の破損を考えて2系統のバックアップなのか、
機関室が大きく二つに分かれていたのか。

もう少し詳しく説明しておくと、前進レバー位置には4段階あり、
出力1/3、2/3、通常(Standard)、死ぬ気で回せ(Full)になっております。
ちなみに、後退に関しては通常が無い3段階になってますね。

必要に応じて、それぞれの位置にレバーを入れて
機関室に指示を出すわけです。

ついでに下のメーターはエンジン回転系で、
機関室が言われてたとおりに回してるか、これで確認する事ができます。

背後の壁にある金色の管は、おそらく機関室に繋がっていいた伝声管で、
ラッパ上の先端部が失われた状態のもの。
その下の白い配線は後の改修で追加された艦内電話のものでしょう。



司令塔を出て屋上後方を見た状態。
意外に広いんですよね。

ただし、現役時はここに連絡&脱出用の短艇(カッター)が複数積まれており、
左右に見えてるクレーンはおそらくその上げ下ろし用でしょう。



そこから前方を振り返るとこんな感じ。
見学者が立っているのが艦橋で、これが船体屋上の上に乗っかっています。

先に見たUSSニュージャージーなどの艦橋を見る限り、
なんでこれが艦の橋(Bridge)なんだと思っちゃいますが、
元々はこんな感じに、操舵室は艦の最上部で左右に架けられた橋の上にありました。
ゆえに艦“橋”なんですね。

ここらあたりは日露戦争時の連合艦隊旗艦 三笠などでも同じ構造になっています。
後に主砲の射程距離が伸びて、
観測所や戦闘指揮所がより高い位置に置かれる必要が出てくると、
だんだん塔や楼といった構造になってゆき、こういった艦橋は見られなくなるわけです。



さっそく登って見ました。
ここも見てのとおり、ほぼ新造されており、やはり資料的な価値は低いでしょう。

下側、先の屋上から前部甲板に降りる階段が見えますが、
ここは入場禁止で入れませんでした。

ついでに、この時代の甲板ですから、
本来は甲板に木板が貼り込めてあったはずですが、
それらは再現されてませんでした。

ちなみに、USSニュージャージーで見たあの甲板は
維持管理に相当な手間とお金がかかるそうで(涙)、
予算不足に泣かされてるらしいUSSオリンピアで、
再現は無理だったんでしょうかね。

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