■潜入 オリンピア



USSオリンピアで公開されてるのは船体内の一番上の階層と、
艦上構造物の前半、そして甲板上の一部と艦橋などとなり、
機関室や主砲弾薬庫、そして主砲砲塔には入れません。

もっとも、先に書いたように主砲は一度取り外されてしまって、
現在付けられているのは完全なダミーですから、
おそらく中はほとんどガランドウの可能性が高いです。
よって、一応、主要な部分は一通り見せてる、とは言えます。

ただ、ここはなぜかまともな案内板が無く、
自分の現在位置の確認も一苦労でした。
写真は非常口の案内図だったりします。

下が船体内の見学ルート、上が艦上構造物の見学ルートです。



乗船口の横で入口方向に向けられていた6ポンド(57mm)砲。
入場料を払わないで乗ろうとした連中を撃退するためのものでしょうか。
6ポンド砲は船体横に左右に5門づつ10門と、
艦上構造物の上の左右に2門づつ、
計14門搭載されていました。

現役時代は、接近して来た敵の小型艦艇を撃退するために
設置されていた小型砲ですね。
円筒型の砲座にあるUの字の金具が付いたフタというか窓の部分は航海中に
砲が暴れないように固定するためのものでらしいです。
実戦時にはこれを下に倒して左右に動かす隙間を確保しました。
ただし完全に下に倒れるわけではなく、水平方向の位置で留まってに固定されます。
でないと重くて閉じられなくなってしまうのでしょう。

その上、肌色の艦上構造物から飛び出してる太い砲は
5インチ(127mm)砲でこちらは片側5門づつ、計10門が積まれてました。

ちなみに、こちらの砲の固定具は、ご覧のようにガラス窓になってます。
ホンマかいな、と思って調べて見ると、確かに現役時代の写真でも、
それっぽいものが見えてますが…どうかなあ、これ。
この辺りは“お偉いさん”の貴賓室なので、戦闘に使われないとわかってた
平時などにはこういった窓をはめ込んでいた可能性はありますが。

ただ、さすがにこんなのは後部の砲座のみで、他のは普通に開閉式の
丸窓つき鉄板の固定具となっています。

この窓は折りたたみ式ではなく、ねじ止めごと外して、
ガラス窓は艦内にしまいこんでいたようです。



さて、ここが入口。
ちなみにこの入口、船体横にドアが開いてる、
という普通の軍艦の構造では考えにくいものなんですが、
元々あったものなのか、展示当たって追加しちゃったドアなのかはわからず。

第一次現役時代の写真を見る限り、
そういったドアは見当たらないようですが…。



で、入った最初の部屋がいきなりこれ(笑)。
いや、軍艦ですよね、この船…。
なんとまあ、絨毯まで敷いてあるこの豪勢な内装。

どうも士官用の部屋らしいですが、
また意味のない贅沢をやってるなあ…。



その先はこんな感じ。
…ヘタな客船なんて、裸足で逃げ出すのでは…。
軍艦内の通路で、これだけ広くて、
これだけ贅沢なものは初めて見ましたよ…。

中央の柱みたいな構造は、後部マストの貫通部とそのカバーです。
艦艇の構造にこんな鉄筋コンクリートビルみたいな柱は要りませんからね。

ただ、初期の図面を見る限り、この部分、
こんな飾りもイスもついてないように見えます。
どうもUSSオリンピアは第一次大戦前後には、
儀仗艦として使われていたうようで、
ヨーロッパから身元不明のアメリカ兵の遺体を
引き上げる任務などにも使われています。

このため、お偉いさんを乗せる事になる確率は高かったはずで、
それに対応するため、こういったものが造られた可能性はあります。

もっともこれまでの印象からして、
単に士官クラスの贅沢好きの結果ではない、
と断言はできませんが(笑)…。


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