■主砲砲塔へ
第三主砲砲塔を正面から。
やはり迫力ありますね。
ついでにハシゴだらけだ、というのにも気がついた。
先にも書いた理由で砲塔上に登る事が多かったのは事実ですが、
ここまで必要なのか、という気もします。
ちなみに、前部砲塔と比べ、砲身が下向きになってるの、気が付いたでしょうか。
これは砲弾の装填状態、すなわち砲が水平位置になっているためです。
戦艦クラスの主砲ではその砲弾と装薬の装填ができるのは、
砲が水平を向いてる時のみなのです。
でないとせっかく装填しても、下にズリ落ちて来ちゃいますから(笑)。
なので戦艦の主砲は1発撃つたびに水平位置に戻し、
装填が終わったら再度、仰角を取りなおして砲撃、となります。
砲身が上を向いたまま、連発するというのは有り得ません。
必ず、砲水平→仰角を取る→発射→砲水平→以下繰り返しの
サイクルを繰り返して砲撃を行なう事になるわけです。
この辺りは後で砲塔内を見学する時に再度説明しませう。
主砲の測距儀部。
後で見るようにここから巨大な筒で反対側に繋がっており、
この左右幅を使って、目標までの距離を三角関数で求めるわけです。
現在はフタがされてしまってますが、あの部分にレンズが入っており、
一種の望遠鏡にもなってます。
これは遠くの敵を見るためなのと同時に、
視野の倍率が上がると精度も上がるためです。
で、この後部の第三砲塔は中に入れます。
あの階段が砲塔の入口です。
その横にあった荷車。
主砲砲弾用に見えますが、通常、主砲砲弾は艦底の弾薬庫にあり、
主砲へは専用の昇降機を使って運び込んでいたため、
運搬して移動というのは、あまりないはずなんですが…。
ハシゴを登って中に入ると、いきなりこれ。
先に見た砲塔用測距儀の本体で、ご覧のように巨大な筒となってます。
図面で見ると左右で20フィート(約6m)以上はあるので、
それなりの精度は持ってますね。
もっとも、こんだけ低い位置に設置されてると、
せいぜい10q前後先までしか見えなかったと思いますが…
ちなみに最初に見た第一砲塔が朝鮮戦争の段階でこれを外してしまったのは、
前部甲板にはより高い位置に第二砲塔があるので、
そっちで見て情報をもらえ、という割り切りかもしれません。
とりあえず、手前の黒い接眼部で目標を見て、そこから距離を目盛りで読み取ります。
ただし極めて誤差が大きいので、通常は複数の人間が同時に目盛りを読み、
その平均値を採用してたはずなんですが、
これは接眼部が一つしかなく、同時に見れるのは一人だけです。
あくまで非常用で、そこまで本格的なものではないんでしょうか。
下に見えてるハンドルやらノブも、その調整用だと思いますが、詳細は不明。
NEXT