■さらば艦内
さて、その先にはなんだか金網に囲まれた区画に。
あ、これは…
はい、これまた軍艦ではおなじみの独房でございました。
何をやらかしたんだか、反省中のロン(仮名)が入ってました。
ちなみに折りたたみベッドがある独房は初めて見ました。
やはり戦艦は待遇がいいのか。
ついでに、これもおなじみ独房体験コーナーがあって、
この隣で中に入ってドアまで閉める事ができました。
当然、試してみたんですが、空母USSホーネット、巡洋艦USSベルファスト、
両者と比べてみても、それほど広くはなく、
この点は戦艦といっても同じみたいですね。
こちらはアメリカ海軍の得意技、戦闘時の損害箇所を補修する
ダメージコントロール、ダメコン用の資材庫だとか。
アイオワ級の場合、ダメージコントロール センターという部屋が
装甲下の艦内第3階層にあって、戦闘中の損害情報は全てそこに通達され、
センターの責任者から各部署に補修、消火の指示がでます。
その作業のための資材置き場が艦内に何箇所か設置されており、
これは艦首部用の補修資材置き場です。
現在では簡単な工具とヘルメット、ハシゴがあるくらいで、
こんなんで戦艦のダメージコントロールできたんかいな、
と思いますが、現役時代はもっと何かあったんでしょうね。
…いや、これだけでなんとかしてたんだ、となると
それはそれでスゴイ話ですが(笑)。
ついでに、今回見つからなかったのが消火栓、
というか消火用のポンプで、先にも書いたように一つも見かけませんでした。
空母の場合、格納庫を中心にいくつかあり、これがUSSフランクリンが
なんで沈まないの、というくらいの損傷を受けながら(ほぼ大破と言っていい)
沈没を免れた大きな要因の一つとなりました。
なので、戦艦にもその手の装備はあるはずなんですが、
見学コース外なのか、展示あたって取り外しちゃったのか。
で、その先の階段を登ると、どうやら後部上部甲板に出るみたいですね。
なんだかイベント用の巨大テントみたいな中に出ましたが、
これは艦尾のヘリポート部ですね。
このテントは博物館になった時、ヘリポート上に造られたものでしょう。
どうやら艦内で案内を見た貸切パーティーなどはここで行なわれるみたいです。
大戦期にはここは着弾観測、偵察用の水上機が搭載されていたのですが、
朝鮮戦争復帰の段階で早くも撤去され(なぜか搭載用クレーンだけ残ってた)、
ベトナム戦争以後はヘリポートになっています。
大戦期の水上機はカタパルト、専用の射出機で
文字通り砲弾のように打ち出されて
一気に加速、飛んで行くのですが、その回収は戦艦がグルグル旋回し、
その中の水面に着水、それをクレーンで吊り上げる、とかなり面倒で、
使わないで済むなら済ませた方がいいものでした。
で、本来の目的、着弾観測がレーダーが実用化された段階で
事実上、無用になったのですが、
(ギガヘルツ級の射撃管制レーダーなら敵艦と水柱の位置関係が完全に把握できる)
大戦後半に地上砲撃、上陸部隊の援護が戦艦の主要任務となったため、
これが生き残る事になってしまいます。
地上砲撃の場合、目標そのものが物陰に隠れてる事が多く、
さらに水柱がたたないので、目標に着弾したかがわからないのです。
このため、水上機を残したのですが、結局、そういった任務は
常に一緒にいた空母部隊の艦載機が勤めたようで、ほとんど活躍せず、
朝鮮戦争では完全に撤去されてしまったのでした。
ちなみに外から見るとこんな感じで、
後部ヘリ甲板は完全にイベント用空間になってました。
という感じで、いよいよ見学コースの最後に入りました。
残るは後部甲板と第三砲塔の内部見学のみで、
いよいよラストスパート…というところで、今回の本編はここまで。
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