■海の上の洗濯
その先にも一般兵の就寝所が。
とにかく隙間があったらベッドを詰め込め、というのが軍艦なのです。
それでも、艦内中に鎖で吊られたベッドが溢れてた
空母USSホーネットに比べると、住環境はいいですね。
ただし1982年の近代改装化の後の部分だから、という部分もあると思います。
ちなみにそれでもアメリカ軍の船はマシな方で、
イギリスの巡洋艦HMSベルファストでは、あらゆる場所にハンモックをつって、
そこで寝させられる、という状況でした。
さて、その先はアメリカの大型艦ではおなじみ洗濯コーナー。
まずはドライクリーニング。
…って、最初からドライクリーニングですか。
床屋といい、並の田舎街なんかよりよほど充実してますね…
お次は普通の洗濯機らしいのですが、あれが洗濯機なんですかね…。
さすがに2000人分の洗濯となると機械も派手になるのか。
ついでに干す場所はいくらでもあるでしょうに、
戦艦に洗濯物を干すのは禁止なのか、乾燥機も完備のようです。
その先はプレスアイロンの部屋。
海軍士官たるものが、よれよれの服を着るわけにいかぬ、
という事で、ここでキッチリとアイロンがけを行なうのでした。
ここらあたりの士官と水兵の差別化は、むしろすがすがしいほどですな。
そもそも階級社会ではなかったアメリカで、
ここまでヨーロッパ的なエリート意識を強烈に持っていた連中も珍しく、
これが後で見るようにフリーメイソン会員の一大鉱脈となってゆきます(笑)。
ちなみにアメリカは19世紀の段階から貧富の差は強烈でしたが、
単なる“金持ち”であり、連中は俗物的で、実にわかりやすい人たちでした。
イギリス式の上流階級グループ、フランス革命前の王侯貴族のような
強烈なプライドを持った、社会的に上位の存在という発想はありません。
(そのまねごとをやった連中もいるが、カワイイものだった)
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