■砲弾もあるよ



さて、まだまだ展示は続きます。
ちなみに床の案内線、ここでは黄色になっておりました。



ここにもあった16インチ砲弾と、装薬袋。
左の砲弾は何の解説もありませんでしたが、
先に見た榴弾よりかなり大きいので、これは徹甲弾の方でしょうかね。
テッペンの信管の形も異なりますし。

で、展示の装薬袋は訓練用のものだそうで、
最大充填である110ポンド(約50kg)の重さがあるんだとか。
おそらく、先に見たのもこの訓練用のものみたいです。

実際の装薬袋は2インチ(約5.2cm)と1インチ(1.54cm)の
ペレット状無煙火薬が混在する形でギッシリ詰め込まれていたそうな。

さすがにこれは砲の横から転がして装填するのですが、
それでも6個でワンセットですから、大変な作業だったと思います。
ついでに、実際の運用では、この装薬袋の間に
少量の黒色火薬を挟んで爆発力を高めていたらしいです。

ちなみに日本の大和級の場合、
さらに重い一つ55kgの装薬袋を使ってたらしいので、
あれは日本人向けの兵器ではない気がします(笑)。



こちらは各種砲弾やら何やら。
一番下にひっそり敷かれてる国旗はレイテ沖海戦(Battle of the Philippine Sea)の時、
USSニュージャージーが掲げていたもの。

右端の手鏡みたいのは対空砲用指示器。
おそらく轟音で声が聞こえない対空砲座内で、上下角や方位の指示を伝えるために
これを見せたんだと思いますが、詳細は不明。



その対空砲弾類。

右端の一番小さいのでが20mm機関砲用で、
それ以外は全て40mmボフォース機関砲のもの。
中央左の灰皿のようなものには
USS ニュージャージー司令官(Commander)の
文字が見えるのですが、説明が無いので詳細不明。
…指揮官専用灰皿ではないと思いますが…。

ご覧のように40mmともなると、
機関砲弾といえど暴力的な大きさになります。
真ん中に1個だけあるのが実際の砲弾部分なんですが、
直径5cm前後の缶コーヒーを2個並べたくらいの大きさで、
これを打ち出すために、手前の巨大な薬莢の火薬が使われるわけです。

第二次大戦開戦時の対戦車砲が37mmあたりだった事を考えると、
こんなのを連射で飛行機に対して撃つなんて
ムチャするなあ、という感じですね(笑)。

ちなみに一番奥が通常の装填状態で、このように4発セットで金具にはめ、
挿弾子(Clip)と呼ばれる形にして機関砲にセットします。
当然、すぐ撃ち終わってしまうので、砲の横には装填手がいて、
どんどんこれをセットして行くのです。

ついでに手前の弾にはなんの解説も無かったのですが、
先端が赤くなってますから、強烈に発光しながら飛んで行き、
射手に弾道を確認させる曳光弾(Tracer)じゃないかと思います。

20mm以下の機関銃だと、通常、これを5発に1発混ぜるのですが

ボフォースの40mm機関砲は先に見たように4発1セットなので、
どうやって混ぜていたのかよくわかりません。
ただ、通常はクリップ2つを装填できたようなので、
5発に1発、入れることも、無理ではないようですが。


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