■艦上を超えて
さて、今回はAの艦橋屋上の戦闘指揮所からBのトマホーク広場(仮称)、
そこから下に降りてCの辺りから度艦内に再突入、いよいよ終盤戦に入ります。
ついでに以前書いたアメリカの戦艦の通算番号について補足を一つ。
USSワシントンもちょっとややこしい、と後から知ったので書いておきます。
私も今回たまたま知ったのですが、戦艦USSワシントンは先代と二代目の二隻あり、
(戦艦でなければさらにもう一隻ある)
初代はコロラド級3番艦 BB47 USSワシントン(先代)でした。
そんなアホな、第二次大戦に参戦したのは
ノースカロライナ級で、通算番号はBB56でしょうが
と思ったら、先代のBB47は進水直後にワシントン軍縮条約が発効、
武装類の儀装は行なわれず、そのまま射撃標的に使われて沈没してるそうな。
一応、進水したのでキャンセル扱いにはなってないのですが、
事実上、船体だけ造って中断となってしまったため、
当然、一度も戦艦としての運用はなされてませんから、
これも歴代アメリカ戦艦の勘定から外した方がいいかもしれません。
さて、艦橋屋上にやってきました。
手前に見えてるのが5インチ砲用のMk.37射撃管制装置、
奥に見えてるドアつきの多重パンケーキか今川焼か、
といった感じの部分が戦闘指揮所。
この部分が例の装甲司令塔の頂点部になり、
御覧のように屋上の戦闘指揮所のかなりの部分を占めてます。
その上に何個も取り付けられた金色のキャップ付き屋根上潜望鏡にも注目。
艦橋上、正面方向を担当するMk.37射撃管制装置。
先にも書いたように、艦上の4基がレーダーネットワークを構築して、
周囲360度の敵を補足、照準します。
上のアンテナはおそらく朝鮮戦争時に取り付けられたMk.25なんですが、
パラボラ中心部に突き出た棒の先端部に受信装置が見当たりません。
もはや使わないから、と近代改装で外したものなのか、
展示にあたってパーツをなくしちゃったのかはわかりませんが。
(お皿部を反射レンズとして棒の先端にある受信部に電波を集めるのがパラボアンテナ)
で、さすがにこれと5インチ砲でヴェトナム以降を戦ったのは無理があるなあ、
と思ってたのですが、どうも1968年の改修時に
後で見るトマホークミサイルの搭載箇所に新型のMark
56射撃管制装置を搭載したそうで、
少なくとも射撃管制装置とレーダーは新型に更新され、
この大戦中の遺産であるMk.37は使われなくなったのだとか。
が、1982年の近代化改装で、このMK.52射撃管制装置が
トマホーク発射装置設置のため取り外されてしまい、
その後継となる射撃管制装置は搭載されなかったようです。
となると、このMk.37が復活したのか、それとも
どうせ当たらないんだしと、開き直って目視で撃ってたのか(笑)
どうにもよくわかりませぬ…。
ついでながら周囲に張りめぐらされた太い針金というか、
鉄棒があるのですが、これの意味がいくら考えてもわからない(笑)。
実は艦橋周囲にも同じ装備ような構造があるので、
戦闘時に装甲板を取り付けるのかなあ、と思うも、いまだによくわからず。
こちらは例の装甲司令塔内部の戦闘指揮所の内部。
残念ながら中には入れないので、
外から見るだけなんですが、プラスチック製の窓の汚れがひどく、
イマイチよく見えなかったりしてちょっとガッカリ…。
ちょっと面白いのは画面左側、運動会で使うメジャーのような部分で、
あれで覗き窓の外にある装甲ガラスの上げ下げを行います。
画面中央あたりには、潜望鏡も見えてますね。
NEXT