■軍隊のお金の使い方



その先で第二主砲砲塔の後ろに出ました。
下の甲板の一段上といった位置なんですが、ここも木製甲板ですね。
ここにも砲弾と装薬袋の展示がありました。

でもって、以前はこれも中が見れたらしいのですが、
とりあえずこの日は入り口は閉まってました。

あれま、と思ったのですが、後ほど後部の第三砲塔の中に入れます。
ただし、これも後半部分だけなんですが…。

ついでに、よくわからないのが、ここに張り巡らされたワイアです。
ワイアで支えないとならないようなモノは何も無く、
こんな場所に、こんな中途半端な長さのアンテナ線を張っても意味があるとは思えず。
なんでしょうね、これ。

…カモメの休息所?



引退直前と言っていい1987年ごろ、USSニュージャージーは再度改修を受けてるのですが、
この時何をやったか、というのがこれです(笑)。

提督(Admiral)の公務室と名付けられた部屋で、その名の通り提督クラスの
艦隊司令官とその随員、参謀などが使うために用意された部屋となっており、
ご覧のように実にデラックスでございます。

余談ですが、通常時のアメリカ海軍の場合、
階級章に4つ星が付く提督(Admiral)が最高位なんですが、
戦時などにはさらに5つ星の艦隊提督(Fleet admiral)というのが存在します。
陸軍で戦時に設けられる階級、元帥(General of army)にあたるのがこれで、
現在まで艦隊提督はリーヒ、キング、ニミッツ、ハルゼーの4人のみとなってます。

ついでに彼らの階級を元帥と翻訳してるのをたまに見ますが、どちらも5つ星とはいえ、
陸軍とは別の階級ですから、区別するために艦隊提督とした方が正確でしょうね。



そこで使われていた豪華な銀食器のコレクション。
これも税金で買われたんでしょうねえ…。

USSニュージャージー、1990年には一線を退いてますから、
この豪華な部屋と銀食器はわずか2年前後ほど使われただけ、となります。
…トホホホ…



豪華な提督用ベッド。
これも…

まあ未だ冷戦期、しかもレーガン政権によって
一時的に軍に金が溢れた時代ですから、
海軍もちょっと暴走しちゃったんでしょうか。
21世紀現在、こんな金の使い方ができるのは、
もはや中国軍くらいでしょう…。



その先に何気なく置かれていた模型。
USSニュージャージーかと思って適当に写真を撮って来ただけなんですが、
帰国後に改めてみて見ると、あれ、後部の砲塔が二つあるじゃないですか。
アイオワ級じゃないぞ、これ。

しかも航空機からの識別用に主砲砲塔上に書かれた番号は67。
となるとBB67、これは計画だけで終わった幻の新型戦艦、
モンタナ級の一番艦、USSモンタナじゃないですか。

あれま、簡単な図面以外では、初めて形になってるのを見ましたよ。
こうして見ると後部の主砲砲塔が増えてるものの、
低い艦橋とその後ろのレーダー塔、二本に分かれた煙突など、
ほぼアイオワ級の正常進化、という感じですね。

うーむ、こういうのがあるから、アメリカの博物館の展示は油断ができぬ。


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