■甲板再戦
というわけで、入り口からわずか10m前後の位置にある出口から
再び甲板上に出ました。
ちなみに写真を撮り忘れたので、ここで紹介しちゃいますが、
この艦の乗船口、写真で主砲の左にある部分は、
16インチ主砲弾が門柱のように並べてあります。
これ、スミソニアン航空宇宙本館の海軍機コーナーでも見た演出なので、
何か海軍の伝統なんでしょうかね。
艦上から対岸のフィラデルフィア市街を見る。
よく見ると左に黒い帆船が見えてますが、これまた映画ロッキーのトレーニング場面中、
主人公が川辺でダッシュしてるときに背後に見えてる船です。
(最後の階段登り直前のカット)
当時は明らかにボロボロになってましたが、現在はキレイに整備されてます。
で、その右手に見えてる白い船体が、先に紹介したおそらく世界最古らしき鋼鉄製軍艦、
防護巡洋艦 USSオリンピアで、ここの見学が済んだら、次の戦場はあれなわけです。
ここからは艦橋下に向います。
で、ここで緑の見学ルートの案内が左に分かれてる。
ただし、この先で消えてしまっており、もしかすると現在はもう
公開してない見学コースなのかも。
ちなみ正面に見えてるアメリカの若者は、
典型的なGeek、アメリカンオタク(特定のジャンルに異常に詳しい偏執狂)
の雰囲気を漂わせており、見学先で撮影場所とかの戦いになるかなあ、
と思ったんですが、この後、ほとんどまともに見学もしないで
スタスタと歩いていってしまいました。
あれ、そうなの?とちょっと拍子抜け(笑)。
主砲第一砲塔横に展示してあった16インチ(40.6cm)砲の砲弾。
さすがにデカイですね。
引退時に結構余ってたのか、この展示、あちこちにありました(笑)。
ちなみに右側の包帯みたいなのは発射用の装薬が入った装薬袋(Powder
bag)。
戦艦や巡洋艦の主砲では砲弾の後ろに薬莢、
すなわち装薬の入った金属ケースがありません。
なので、発射時には、こういった布袋入りの装薬を
砲弾の後から砲身に詰めて撃ち出します。
砲弾に比べると小さく見えますが、最小量のものでも90ポンド(40.8kg)、
最大だと110ポンド(約50kg)入りのものがあったようです。
ただし、これがどのタイプなのかは不明。
Mk.7砲の場合、巨大な砲弾を撃ちだすのに、
通常この装薬袋を6個使っていました。
(5個以下にできたという話もあるが確認できず)
高速で相手の装甲を撃ちぬく徹鋼弾と
(水平に高速で飛んでゆくのではなく、より高高度まで上がってから落下する)
運動エネルギーはさほどいらない榴弾とで
内容量の違う装薬袋を使い分けていたようです。
でもってこの包み、ホンモノは絹で造られていた、という話で、
そうなるとやはり戦争はお金がかかりますねえ…
ついでによく見ると砲塔の下の甲板にフタが見えてますが、
おそらく主砲弾、あるいは装薬袋の搬入口じゃないかと思われます。
さて、運命の赤い線に導かれて見学を続けましょう。
上の日除けは軍艦にはよくある装備ですね。
これはクーラーなんざなかった時代に、
太陽光線による船体内の気温上昇を防ぐ、という意味もあったようです。
(真夏の露天駐車場に車を停めるのと、日陰の下に停めるのとの差)
当然、時速30q近くで巡航する軍艦では
張ったまま航行する事はできませんから、
あくまで停泊中の工夫です。
注目は右の手すりで、さすがに艦首部より高くなっているほか、
上の天幕を張る時のために、折りたたみ式になっています。
ついでに、現在は手すりに網まで張られてますが、
現役時代はワイヤロープが張られているだけでした。
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