■渡るだけでも大変だ
で、その橋のたもとに巨大な石塔があるのには最初から気づいてました。
ロンドンや上海にも、船の通過を考慮して造られた巨大な橋があるのですが、
それらにも河岸のすぐ横にこういった塔がありました。
そこには歩行者専用のエレベータ、あるいは階段があって、
わざわざ車道用の入り口まで迂回しないで、
河岸からすぐに橋に上がれるようになっていたのです。
なので、ここもそうだろう、と思って来たのですが、
あにはからんや、入り口は完全に閉鎖されており、
中に入る事ができませぬ…。
入り口の左右に電燈があること、こんな石塔は橋の強度的には意味がないことから、
おそらく歩行者用の階段かエレベータだと思うんですけども…。
防犯上の関係で閉鎖しちゃったのだと思われますが、
せめて昼間だけでも解放してくれませんかねえ…。
ということで、これにて川幅600m部分の横断ではなく、
車道の入り口まで戻って、全長1400mの橋を渡る、という事が決定…。
トホホホホホホ…。
橋の車道入り口まで河岸から軽く400m近くあるため、
その間、ちょっとした市内散歩となりました。
前回も書きましたが、映画ロッキーの中に出てくる、
スラムみたいなフィラデルフィアのダウンタウンの印象が強かったため、
これほどキレイに整備されてると、
ホントにここはフィラデルフィアかと思ってしまいます。
その一方で、何度か引用している岩倉使節団の米欧回覧実記には、
とても清潔な街並み(清麗ナルハ第一等ニ居ル)と書かれており、
それと映画ロッキーの中のゴミだらけのフィラデルフィアの街が
どうしても印象として重ならなかったのですが、
少なくとも21世紀初頭の現在は、
1870年代の美しい街並みが復活しつつあるようです。
ワシントンD.C.の海軍工廠一帯といい、
一時スラムと化していた地域が21世紀に入って次々と再生してましたから、
どうやらアメリカは生まれ変わったのだ、という感じがします。
実際、アメリカは衰退するどころか、繁栄期を迎えつつあるように見えます。
逆に言えば1970〜1980年代のアメリカはかなり悲惨だった、とも言えますが、
むしろ20世紀末から21世紀初頭のアメリカが凄すぎるのかもしれません。
大規模な戦争がなく、軍が暴走せず、経済が破綻せず、
大統領が底抜けのスカポンタンではない、という時代を、
21世紀になって、おそらく初めてアメリカは迎えたはずです。
その先にあった、昔ながらのアメリカの個人商店。
映画や小説では見た事がありましたが、実際にこういった小さな商店は初めて入りました。
ただし中はかなり近代的、というかオシャレに改装されてしまってましたが…。
ちなみに撮影できる雰囲気ではなかったので内部の写真はありませぬ。
そこでとりあえず朝食を確保(涙)…。
まあ、カロリーを取っておけば死なないし、
カルシウムを取っておけばトラブルにあっても冷静でいれよう、
という事でチーズの類をい二つほど。
昔ながらのお店らしく、奥には小さな食事コーナーがあったのですが、
例によってサンドイッチが2つで5ドル(約510円)とかで
摂取できるカロリーに対し、あまりに精神面への負担が大きすぎると思われ(笑)、
こういった食事となったのでした…。
5分ほどで歩くと、ようやく橋の入り口が見えてきました。
ここで折り返してようやく橋に入れます。
ついでにこのあたり、舗装ではなく石畳でした。
これが歴史的なものなのか、
それとも観光用に最近敷いたものなのか、判りませんが。
どうやら、横に見えてる青い手すりと街灯のある部分が歩道みたいですね。
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