■アメリカ軍の周りとかのあれこれ



ここら辺りは北アフリカ、
つまりヨーロッパ戦線にアメリカが始めて参戦した時の装備類展示。
左端は1943年式コンバットブーツ、
右端のは1910年式というえらく年季の入った水筒。

中央は45口径M3マシンガン、いわゆるグリースガンですね。
グリースガンはいわゆる油さしの事で、自動車などの潤滑油用に
使われていた工具に似ていたことからついた名前になります。

1942年末の段階で普通にマシンガンを装備してる、というのは注目で、
ヨーロッパ戦線における、近接戦闘の情報がアメリカに入っていたのか、
それとも独自の研究でこの装備にたどり着いたのかわかりませんが…。

近接戦闘、つまり塹壕や陣地の奪い合いになったとき、
至近距離から重い銃弾をばら撒いて、
敵兵の手足やアタマを確実に吹っ飛ばして戦闘能力を奪う
マシンガンは必須の兵器であり、これが無かった軍はどこもそういった戦闘で苦戦します。

遠距離戦ではなんの役にも立たない兵器ですが、
実際の戦闘では、予想以上にこの近接肉弾戦が発生しており、
一瞬で至近距離から敵を無力化できる、こういった大量殺人兵器は重要でした。



おなじく北アフリカ戦線での装備類。
左奥はアメリカ戦車兵のヘルメットで、
アメリカは最初から戦車による機動戦をもくろんでいた、
というあたりも注目に値します。
その右はイギリス軍のヘルメット。

中央は自分が戦車を投入する以上、ドイツもするだろう、
という前提で配備さされた対戦車兵器、
おなじみの2.4インチ(60.9mm)バズーカの初期型であるM1発射筒。

手前はそのロケット弾ですが、上の尖ってるのが多分M6A1ロケット、
下のズングリしてるのが、その改良型のM6A3ロケットだと思います。
ちなみに改良型のM6A3は新型バズーカのM9専用で、
展示のM1発射筒では撃てなかったはず…。

この時期のドイツの主力は4号戦車なのでM-1でもなんとかなった可能性がありますが、
北アフリカには後に一部とはいえティーガー戦車が配備されてますから、
これが相手ではどうしようもなかったでしょうね…。
後ろからなら、装甲抜いて、エンジンルームに損害を与え…られるかなあ…。

で、右側の二つはドイツ軍の装備で、対戦車兵の帽子と、
ドイツ軍の対戦車地雷。



新兵の生活というタイトルの、徴兵された若者が最初に入る
訓練キャンプ宿舎の再現展示。
よく見るとこの人は黒人さんで、
第二次大戦時には100万人以上の黒人兵も投入されたのだ、という説明でした。



こちらは例の戦中における女性工員の展示。
航空機工場で働く女性なんですが、この赤いスカーフに
ジーンズというのは、当時のポスターなどでもよく見るスタイルで、
ひょっとしてこれが当時の標準作業服だったんでしょうか。

ちなみに、こういった工場によってアメリカが産み出した兵器の総数は
航空機が全て合計して32万4000機、戦車は8万8000両、
輸送用トラックが238万20000台(笑)だそうな。

…この国と戦争やろうぜ、と言い出した人間は
間違いなく地獄に落ちる権利があるでしょうな。



その手前にあったリベット打ち体験機。

強烈な負荷がかかる航空機などでは、各部の固定には溶接ではなく、
よりガッチリ留められるリベット、鋲が使われるのが普通です。
これは一個一個手打ちで打ち込んでいたそうで、
その工程が体験できるのが、この装置なのです。

右のリベットハンマーを押し付けて、30秒間で、
あなたはどれだけリベットを打てるかな?というもの。
引き金を引くとガガガガ!という感じでリベットを打ちを始めるので、
これをギュッと押し込めて30秒がんばると、スコアが表示される…
のですが、なぜか意外に人気で列ができており、
並ぶのが面倒だった私は試しておりませぬ…。


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