■アメリカの車たち
で、その先から実物大ジオラマ&実車でみるアメリカの自動車社会の歴史、
といった展示になっております。
ある意味ですごいのは、展示されてるのが全部ホンモノの当時の車な点でしょうか。
アメリカにはいくつかの有名な自動車コレクションがあり、
それらに比べると平凡ではあるのですが、
それでも、それなりに見ごたえのあるものとなってます。
まずは1930年代のメリーランド州、という設定(?)のモーテルのジオラマ。
車を部屋の前に停めてそのまま部屋には入れるアパート、
といったのが現在のアメリカの主要道路沿いに展開するホテル、
モーテルですが、元々は一軒一軒の小屋、キャビンがあり、
その前に車を停めて利用するものだったとか。
このため当時は左の看板のようにツーリスト キャビン、
旅行者小屋といった名称だったみたいです。
今でも、こういったモーテルはあるらしいですが、私は利用したことがありませぬ。
でもって、街道沿いにはツーリスト キャビン、ガソリンスタンド、
レストランなどを一箇所にあつめた、一種のサービスエリアのような施設が
1930年代には出来始めており、多くは家族経営だったとか。
このジオラマの女の子は経営者の娘さん、という設定だそうで、
妙なとこに凝ってるなあ…。
左のは1939年のプリマス ビジネス クーペ。
プリマスはアメリカ三大自動車メーカー、クライスラーの主力ブランドの一つで、
一時はGMのシボレー、フォードに対抗する存在だったんですが、
日本じゃほとんど知られてませんね、
ブランドとしては一応、2000年代まで存続してましたが、現在は消滅済み。
クーペは前回書いたように二人乗り乗用車を指すものですが、
ビジネス クーペなる車は初めて知りました。
普通はスポーツカー、あるいは小型車に採用されるスタイルなんですが…。
お次は1930年代からブームになっていたキャンピングカーの展示。
こちらはメイン州という設定らしいです。
1930年代、第二次大戦前から、こんな娯楽があった、というあたり、
日本人からすると信じられん世界です。
でもって、すでにモーター キャンプ施設が存在しており、
中産階級以上では、休暇に家族でそこに出かける、というのが流行ったそうな。
展示のキャンピングカーは1934年のtrav-L-Coach
という日本語表記が面倒な
キャンピングカーで、当時300以上あったと見られる、
木製キャンピングカーメーカーの一つが作ったものだとか。
推測ですがコーチ(Coach)=大型馬車という商品名といい、
木製の車体といい、ここら当たりは仕事がなくなった馬車メーカーが、
結構活躍したんじゃないかなあ、という気が。
アメリカの学校と言えばスクールバスですが、
これまた1930年代から運用されていたそうで、
こちらは1939年のインディアナ州で、女の子がお父さんと一緒に
バスを待っている、という設定のジオラマ。
で、お次はちょっと時代が戻って、1926年に開通した大陸横断道路、
国道66号(Route
66)の展示。
かつてはアメリカの象徴ともなっていた道路ですね。
ただし大陸横断道路といっても、カリフォルニアのサンタモニカから
まだ中部である五大湖沿いのシカゴまでで、
シカゴから先、ニューヨークまでは別の道路で移動する必要がありました。
さらに開通当時はほとんど未舗装で、
いわゆる現在の国道とはだいぶ異なったようです。
ちなみに、州間高速道路の発展によって、
国道66号は1984年に廃線とされたのですが、
今でも全体の8割近くが現存しており、通行は可能なようです。
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