■ホール内だけでこの展示



その先には近代工業の発展に関する展示が続いてます。



まずは新天地アメリカに移住する人々、という事で20世紀初頭の大西洋航路客船。
ただし、名前もデータも一切表示がなく、詳細は不明。
船体の上部が個室に入れる1&2等船室で、こちらに750名、
その下にある大きな共同船室(dormitory)に1000名、計1750名が乗れたそうな。



でもって、脈絡がない感じがしますが、
その横には暗視ゴーグル付きの海兵隊ヘルメットが。
これも工業製品の進化ではありますけどね。

ちなみに、これはアメリカのTV局、NBCのレポーターが
イラク戦争(2003年)の取材に使ったものだとか。



お次はホール中央に展示されてる車両たちを。



まずは西部劇に出てきそうな幌付き荷馬車(Covered wagon)から。

展示のものは1840〜1850年、日本じゃまだ江戸時代に使われていた
大型幌馬車、コーンストーガ(conestoga)と呼ばれるタイプ。
コーンストーガはペンシルバニアを流れる川の名前で、
最初、その一帯で作られたところから、この名があるようです。
ちなみに連結器が出てる右側が前となってます。

ついでに、目にも鮮やかな青とオレンジの塗装は、
ドイツ系移民の手によるデザインだとか。

妙にゆがんだ車体ですが、これは車体の前後が上に跳ね上がり、
上り坂や下り坂で荷物が外にスベリ出すのを防いでるからだそうな。
ただし下りでそんな急角度になる事はなかったようで、
主に上り坂で荷物がこぼれないよう、後ろが強く跳ね上がっており、
その結果、車輪も後輪のほうが大きくなったようです。

アメリカ大陸の場合、中西部は砂漠が多く、
さらにロッキー山脈などで東西が分断されるため、
河川による船舶輸送が使えない地域がかなりありました。

よって19世紀末に鉄道が開通するまで、
広大なアメリカの物流を支えていたのが、
この手の馬車による貨物輸送だったとか。


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