■ボストンはよくわからん



で、なんと信号待ちも含めて2分前後で地下鉄の駅についてしまう(笑)。
おいおい、これ歩いたほうが速いのでは?
ところがここはアメリカ、空港周辺に歩道なんてまるでなく、
このバスを使うしか移動手段はないのです。
地下道か歩道橋を造るだけでいいと思うんですが…。

前から思ってましたが、なんでアメリカ人てこんなに歩くのいやがるんでしょうねえ…。



で、そこでキップを買おうとするも、どこにも料金表がない。
それどころか、この自販機は現金禁止、カードのみ、とアメリカンな主張をしてる。
まいったなあ、と周辺を見ると、どうやらボストンの玄関口のこの駅で
切符の買い方がわからない人は多いらしく、販売機の前に案内の人がいる。

なんだか来た早々、聞いてばかりだな、と思うもその人に
「スミマセンネ、アクアリウム駅まで行きたいヨ、どうするといいカ?」
と聞いてみる。が、相手は一瞬間を置いて
「どこまでだって?」と聞き返してくる。

…この場合、可能性は二つ。
私の発音が悪くて聞き取れてないか、
アクアリウムという駅は存在しないかだ。
が、駅は成田でネットから最終確認してるから間違いない。
となると、発音ですね(笑)。

言語は読む、聞く、というのは一人でも結構習得できるのですが、
話す、書くというのは別で、その言語を話すネイティブの人が間近いに居ないと、
まともに習得するのは不可能と思っていいでしょう。
よって、バリバリの日本人で、日本国在住の私に、
その能力を養う機会は皆無であり、
必要以上に冒険的な選択を繰り返して(涙)人にモノを聞きまくった
この旅行中、こっちの言うことを伝える、
というのに散々苦労する事になります…

聞くだけなら、半分しか聞き取れなくても状況や相手の表情から
内容が判断ができるので、まずほとんど大丈夫なんですが、
話すのは極めて難しいなあ、と再確認。

ただし相手の言語能力の問題もあるようで(笑)、
各地で大苦戦した私も、スミソニアンの学芸員の皆さんが相手だと、
キチンと聞き取りをしてもらえ、意外にスムーズに話ができました。



ようやく水族館駅だ、というのを伝えると、往復か?と聞くので
そうアルヨ、と答えると5ドルだね、と言われる。
そのまま奥の方に案内され、そこにあった現金が使える販売機に5ドルを入れ、
案内の人がどこかのボタンを押すと、このキップが出てきました。

価格預託式チャーリーキップ、という意味がわからん文字が上に見えますが、
これがチャーリーチケットと呼ばれるボストンの地下鉄のキップです。
(ちなみに未だにチャーリーって誰だかわからず…)
どうもアメリカの東部の地下鉄ではこういったキップが普通のようです。
(ただしフィラデルフィアはこれまた特殊だったりする…)

まず、基本的に運賃に固定料金はありません。
混雑(Peak)時と、平常時(Off peak)で異なり、さらに休日などでも
料金が変わるため、正直、よそ者には料金体系は理解できないと思います。
ここら辺りは基本的に固定料金の東アジア周辺と比べて
際立って異なる点で、どう考えても不便だと思うんですが、
気にしないんですかねえ…。
ロンドンでさえ、地下鉄料金は固定だったのに。

さらにキップは行き先までのものを買うのではなく、
必要な金額をこのキップ(裏に磁気テープがある)に預託する、
預け入れるという形になります。

例えば5ドル、10ドル、という払い込んだ金額をこのキップに記録し、
降りるたびにそこから使用分が引かれて行くのです。
なので、降りるときに1セントでもお金が残ってると、キップは戻ってきます。
よって余計なお金を払いたくない人は、なんとか料金を調べて、
きっちり料金分だけを自販機に投入する必要があります。

だったらICカードにすればいいじゃん、と思うのですが、
ボストンでは1往復しかしなかったので、ここら辺りどうもよくわかりません。
ロンドンもそうでしたが、基本的にICカードの使用が大前提で、
それを利用しないから、こんな面倒な話になるようですが…。
ちなみにワシントンD.C.の地下鉄&バスのキップについては後でまた。

で、二駅間の往復、しかもどう考えても混雑時ではないお昼時で
片道2.5ドル(約250円)は微妙に高いなあ、と思いましたが、
この“妙に物価が高い”という印象は、今回のアメリカ旅行を通じ、
常に着いて回ることになります。

参考までに前回のアメリカ訪問時、2008年8月の円相場は1ドル=104円前後、
今回は1ドル=98円前後で、5%近く円高(ドルが安く買える)なのですが、
それでも前回に比べて、はるかにモノが高く感じました。

例えば日本で言うところの500mmペットボトル炭酸飲料。
(すなわちドクターペッパーだ)
前回はどこでも1.25ドルで買ったのですが、今回は最低でも1.75ドル、
場所によっては2ドル近くしており、なんじゃこりゃ、という感じに。
いままで何度も来てますが、これだけ物価の変化を感じたのは初めてです。
全体的に食料、飲料は安い、というのがアメリカだったのですが、
どうも過去の話になりつつあるような感じ。

もっとも前回はデイトンの田舎町、
今回は東海岸の都心部、という差がありますが、
それでもこれだけの差が地域差とは考えがたく、
この5年間で、恐ろしい勢いでアメリカのインフレが進んでるように見えます。
日本の感覚の価格にするなら、1ドル=80〜85円が適当な相場でしょう。
2013年の1ドル=98円前後の相場は、明らかに円が安すぎるか、
アメリカのインフレがここ20年間では
異常といえるレベルで進んでる事になります。

どちらが正解なのかは分かりませんが、前者だとすると
むこう1〜2年で円はかなり高くなるんじゃないでしょうか。



さて、ようやくキップも買えたしこの自動改札から構内に入りましょう。
ちなみにキップは入った先ではなく、手前の投入した口から再度出てきますので、
ここで待っていてキップを回収、中に入る、という変なタイプです。
この点はワシントンD.C.でも同じですが、ICカードを使うなら、
日本と同じで接触部に置いてそのまま通過となります。

ついでにアメリカではこういったタイプが多いのか、
帰国したとき、京成上野駅でアメリカ人らしき観光客が友人に、
キップはこの先で出てる来るからそこで取るんだ、
とわざわざ説明してるのを見ました。

はい、という感じでようやくボストン市内へ突入となります。
とりあえず、今回の本編ははここまで。


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